Fangyu Zhang ファンユー・ジャン (34)
肺炎などの感染症を治療するために、体内に薬剤を届けるバイオロボットを開発。
ファンユー・ジャン(34歳)は、自走可能な単細胞微細藻類を泳ぐバイオロボット群(スワーム)へと作り変え、細菌性肺炎やその他の感染症の治療に使えるようにした。このバイオロボットは最終的には体内で自然に分解される。現在、彼は同様のアプローチをがん治療にも応用する研究を進めている。
この手法は、静脈に投与する抗生物質や化学療法よりも多くの利点がある。例えば、肺炎治療の場合、従来必要だった抗生物質の投与量を99.9%以上削減できることが、マウス・モデルでの研究で示された。また、化学療法薬を搭載したバイオロボットをがん細胞の標的にすることで、従来の静脈投与に比べて副作用を軽減しながら、治療の成功率を向上できる可能性がある。
ジャンの技術革新は、いくつかの重要なステップを踏んでいる。まず、ジャンらのチームは消化管や肺の環境に耐えられる薬剤コーティングのナノ層を開発した。次に、この薬剤コーティングを「クラミドモナス・ラインハルディ(Chlamydomonas reinhardtii)」という微細藻類の表面に付着させた。この微細藻類は、2本の鞭毛(フラジェラ)を振動させて移動する。あとは自然の力に任せるだけだ。薬剤をまとったバイオロボットは気管や食道に適用され、正確な標的に向かって自律的に泳いでいく。
「肺では、約72時間で微細藻類が完全に分解されます」とジャンは説明する。
ジャンの開発したアプローチは、単なる1つの治療法ではなく、汎用性のある「バイオロボット・プラットフォーム」でもある。「微細藻類の表面には、多くの官能基(化合物の特徴的な反応の原因となる原子や原子団)があり、それを活用することで特定の細胞を標的にできます」。例えば、特定のモジュールを組み込むことで、がん細胞だけに結合し、健康な細胞を回避することも可能になる。
- 人気の記事ランキング
-
- Data from drones in Ukraine is fueling a new Wild West marketplace 戦場映像がAI訓練に、ウクライナ戦争が生んだ「新たな金脈」
- Promotion AI White Paper 2026 松尾・岩澤研協力『AI白書2026』発売、サブスク版も開始
- Batteries just broke another record in the US 米国のバッテリー導入が過去最高、データセンターも需要けん引
- What OpenAI’s latest controversy tells us about the future of math 1万のAIエージェントが ミレニアム懸賞問題を解決、 人間の数学者に残る役割は?
- This founder is teaching chips how to recycle (their energy) 捨てていた熱をリサイクル、31歳が挑むチップの再設計
