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Predicting preemies

早産児の予測

スタンフォード大学のステファン・クエイク教授らのチームは、妊婦の血液中の無細胞RNAを分析することで、迅速かつ簡単に早産のリスクを予測する方法を見い出した。早産児として生まれる赤ん坊は毎年1500万人にのぼり、5歳未満の子どもたちの死因の第1位となっている。 実現時期: 5年以内に病院で検査できるようになる可能性 by MIT Technology Review Editors2019.04.22

NENOV | GETTY

簡単な血液検査で、妊婦の早産のリスクを予測できる。

早産児の予測

・なぜ重要か
早産児として生まれる赤ん坊は毎年1500万人にのぼり、5歳未満の子どもたちの死因の第1位となっている。
・キー・プレーヤー
アクナDx(Akna Dx)
・実現時期
5年以内に病院で検査できるようになる可能性。

遺伝物質は通常細胞の中にあるが、少量の「無細胞」DNAや「無細胞」RNAが血液中に浮遊している。こういった無細胞DNAやRNAは、 多くの場合、死んでいく細胞から放出される。妊婦の体内には、核酸のアルファベット・スープ(ローマ字型のパスタ入りスープ)のように、胎児や胎盤、そして自分自身から放たれた無細胞物質が浮遊している。

およそ10人に1人の赤ん坊が早産で生まれている。スタンフォード大学のバイオエンジニアであるステファン・クエイク教授は、医学的に極めて難しい問題の1つである早産に、無細胞DNA/RNAを用いて挑む方法を見つけた。

かつて細胞を採取するためには、腫瘍の生検や、妊婦の腹に針を刺す羊水検査など侵襲的な検査を実施する必要があった。しかし今や、浮遊しているDNAやRNAから、こうした検査で得られるのと同じような情報を収集できる。以前とは変わったのは、血液中の少量の無細胞遺伝物質を、より簡単に検出し、配列を分析できるようになったことだ。ここ数年、研究者は、がん細胞のDNAを見つけ出すことでがんを検出したり、ダウン症候群のような疾病の出生前スクリーニングをしたりするための血液検査の開発を始めている。

こういった検査では、DNAの中の突然変異を探して判断する。一方、RNAは、遺伝子の発現、つまり1つの遺伝子からタンパク質を合成する量を規定する分子である。クエイク教授は、母親の血液中の浮遊RNAの配列を分析して、早産に関連する7つの遺伝子発現の変化を検出する方法を見い出した。この方法を使えば、早産しそうな妊婦を特定できる。医師は、早産のリスクがあることがわかれば、早産を回避し、赤ん坊の生存確率を高める措置を取れる。

クエイク教授によれば、この血液検査に使われるテクノロジーを使えば、迅速かつ簡単に測定できるうえ、コストは10ドル未満で済むという。同教授の共同研究チームは、この血液検査を市場に出すために、スタートアップ企業のアクナDx(Akna Dx)を立ち上げた。

(ボニー・ロックマン)

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MIT Technology Review編集部 [MIT Technology Review Editors]米国版 編集部
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