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コネクティビティ Now There’s a Nausea Dial for Virtual Reality

「VR酔い」のレベルを自分で調整できるゲームが開発中

VRの普及を妨げている要素の1つが、「VR酔い」の問題だ。人によって違う「酔うレベル」を自分で調整できるようになれば、VRはもっと広がっていくかもしれない。 by Rachel Metz2017.08.28

実質現実(VR)の中でひっくり返ったり飛んだりしても人によっては何も問題はないが、中には吐き気を感じる人もいる。

「VR酔い」は、視覚と内耳の感覚のズレによって生じる。ヘッドセットを付けてバーチャル環境を歩き回る際に、目で見ている状況と体の感覚が必ずしも一致しないのだ。こういった現象はすべての人に起こるわけではないが、VRのテクノロジーが世の中に浸透していくための最大の課題の一つである。

企業や研究者は、ヘッドセットのディスプレイの解像度を上げることから、バーチャル世界で激しい動きをする場合は視野を制限するといった対策に至るまで、数多くの解決策を模索してきた。ブイレメディ・ラボ(VRemedy Labs)という新しいスタートアップは、ゲーム中に仮想のダイヤルを操作して刺激レベルを調整し、気持ち悪さを抑えるという独自の興味深い解決策を探っている。

マサチューセッツ州ケンブリッジに拠点を置くブイレメディ・ラボは、独自のビデオゲームを制作してこのテストを行っている。ゲームはスーパーヒーローの一団を救助するという内容だが、VRの中でも特に多くのユーザーが気持ち悪さを感じる、移動運動に関わるシーンがいくつか含まれている。ロケットエンジンを手に持って飛び回ったり、カギフックをひっかけてある場所から別の場所に移動したり、といった空中での動きだ。

現時点では、ユーザーがゲームを試す際に感じる不快な動きを、手動で制御している。ブイレメディ・ラボの共同創業者であるリチャード・オーツによると、最初は刺激レベルが最高の状態からプレイを開始し、プレイヤーの気分が悪くなったらゆっくりとダイヤルを下げ(約10分間)てレベルを落とし、気分が改善されているかどうかを見る。そこから再びレベルを上げていき、プレイヤーのスイートスポットを見つけるために細かく調節する。たとえば、視野の調整とか、移動中に通り過ぎる障害物の数などだ。最終的には、プレーヤーが自分で調整できるようになることを目指している。

ブイレメディ・ラボは、まず気持ち悪さのレベルを設定した。その際には、リフト(Rift)を開発したオキュラス(Oculus)や、バイブ(Vive)を共同開発したHTC、バルブ(Valve)といった企業の手法も考慮に入れた。ブイレメディ・ラボのもう一人の共同創業者ニッシュ・バンダリは、製品によるレベルの違いを非常に僅かなものにするよう試みている、という。

ブイレメディ・ラボは「I Hate Heroes」と呼ばれるこのゲームを、来年には完成させようとしている。最終的にはヘッドセット・メーカーと協力したり開発ツールを用意して、ゲーム開発者が細かい調整までできるようするつもりだとオーツはいう。

「私たちは、気分が悪くなるが楽しい、あるいは快適だが退屈だ、といったVR体験の型を破りたいのです。そして、誰でもが自分のペースや気分にあわせてプレイできるようなゲームを作りたいのです」。

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レイチェル メッツ [Rachel Metz]米国版 モバイル担当上級編集者
MIT Technology Reviewのモバイル担当上級編集者。幅広い範囲のスタートアップを取材する一方、支局のあるサンフランシスコ周辺で手に入るガジェットのレビュー記事も執筆しています。テックイノベーションに強い関心があり、次に起きる大きなことは何か、いつも探しています。2012年の初めにMIT Technology Reviewに加わる前はAP通信でテクノロジー担当の記者を5年務め、アップル、アマゾン、eBayなどの企業を担当して、レビュー記事を執筆していました。また、フリーランス記者として、New York Times向けにテクノロジーや犯罪記事を書いていたこともあります。カリフォルニア州パロアルト育ちで、ヒューレット・パッカードやグーグルが日常の光景の一部になっていましたが、2003年まで、テック企業の取材はまったく興味がありませんでした。転機は、偶然にパロアルト合同学区の無線LANネットワークに重大なセキュリテイ上の問題があるネタを掴んだことで訪れました。生徒の心理状態をフルネームで記載した取り扱い注意情報を、Wi-Fi経由で誰でも読み取れたのです。MIT Technology Reviewの仕事が忙しくないときは、ベイエリアでサイクリングしています。
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