KADOKAWA Technology Review
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コンピューティング
35歳未満のイノベーター35人 2025コンピューティング
計算資源への需要はかつてない水準に達しており、これらのイノベーターは新たなAIチップや特化型データセットによってその要請に応えている。さらに、高度化するシステムの安全性をどのように評価するかについても、洗練されたアイデアを提供している。

Nur Muhammad "Mahi" Shafiullah ヌル・ムハンマド「マヒ」シャフィウラー (34)

所属: メタ(Meta)

ロボットがあなたの家、そしてあらゆる家庭環境に適応できるよう支援したいと考えている。

現在のロボットは、組立ラインや倉庫で同一作業を繰り返すことには長けている。しかし、家庭内で信頼できる支援者となるには、未知の環境下で多様なタスクに対応できる能力が求められる。

とはいえ、これは極めて困難な技術課題である。その主因は、家庭のように散在物が多く、状況が絶えず変化する環境を移動・操作する方法をロボットに学習させるためのデータが不足している点にある。皿洗いや散らかった靴下の引き出しを整理する様子を動画で共有することはほとんどないからだ。

このデータ不足の問題は、ニューヨーク大学で博士課程に在籍していた頃から、27歳のヌル・ムハンマド「マヒ」シャフィウラーが取り組んできた中心課題である。

彼は、家庭内作業を人がどのように遂行するかを示すデータを効率的かつ拡張可能な方法で収集し、AIモデルや将来的なロボットの訓練に活用できるデータセットへと体系化するチームの一員であった。具体的には、グラバー・スティックにiPhoneを装着し、キャビネットや引き出しを開ける動作、ナプキンや紙袋の把持、倒れた物体の向きの修正などを撮影した。これらのデータセットは、エヌビディア(Nvidia)、マイクロソフト、グーグルなどによって利用されている。

また彼は、画像、動画、行動データ、テキスト指示を含む527種類のロボット技能データセットを構築する大規模な機関横断型プロジェクトにも参加した。このデータは、キッチン内で玩具の果物や野菜を移動させる、しわのあるタオルを広げる、靴やマグカップを整理するといった、未経験の行動の実行を機械に可能にする。「このデータセットは、見知らぬ家庭で任意の手持ち物体を把持したり、物品を再配置したりするような、より汎用的な振る舞いを示すロボットへの足がかりでした」とシャフィウラーは語る。

現在、メタ(Meta)の基礎AI研究(FAIR)チームでポスドク研究員として活動を開始したシャフィウラーは、ARスマートグラスやヘッドセットなど別種のハードウェアを活用して、ロボット訓練用の動画データを収集する可能性に期待を寄せている。また、より長時間にわたり自律的にタスクを遂行できる能力や、家庭内で監督なしに行動できる信頼性を実現するため、より精緻で文脈を反映した出力生成手法の開発を目標に掲げている。それは複雑かつ困難な課題であると認めつつも、「やりがいのある問題」だと話す。

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