33歳のアレックス・ケンドールは、自動運転の普及を加速させ得る新しいアプローチを開発した。彼の手法は、事前知識やハードコードされたルールに依存せず、AIに運転を学習させるものである。一度学習を終えれば、この技術を搭載した車両は、人間と同様に、これまで走行したことのない道路でも自律的に走行できる。
「8年前に会社を立ち上げた当時、自動運転業界はまったく異なる方向に進んでいました」。2017年に英国ケンブリッジでウェイブ(Wayve)を共同創業したケンドールは語る。当時の自動運転システムは複数のニューラルネットワークで構成され、それぞれ個別に訓練を実施したうえで、手動で統合する必要があった。環境認識、意思決定、車両制御を担うネットワークが分かれていたのである。さらに、これらのシステムは高精細な最新地図に大きく依存し、実際に走行するすべての道路で事前訓練が求められていた。
ウェイブのアプローチではゼロから開始する。人間が運転する車両群に搭載されたカメラや各種センサーから生データを直接取得し、深層学習モデルに入力して、道路規則や車両操作の方法を自律的に学習させる。その結果、新しい車種や環境、ハードウェアにも迅速に適応できるとケンドールは述べる。
例えば、英国から米国へ試験を拡大した際も、追加の学習時間わずか500時間で、車両は反対側通行の道路を問題なく走行できるようになった。
テスラとは異なり、ウェイブは技術を他の自動車メーカーにライセンス供与している。また、カメラ、ライダー(lidar)、その他のセンサー構成など、異なるハードウェア・プラットフォーム上で動作可能である。汎用的なアプローチを採用しているため、この基盤技術はスマート製造工場におけるロボット制御や航空機・ドローンの運用など、他分野への応用も可能だという。
業界各社も動きを見せている。ウェイモは依然として従来型の手法を採用しているが、テスラは2023年にエンドツーエンド学習モデルへ移行した。約13億ドルの資金調達を発表しているウェイブは、初の商業提携も発表した。日産が2027年以降、運転支援システムに同社の技術を採用する予定である。
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