KADOKAWA Technology Review
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The great urban tech reset

エディターズ・レター:コロナ禍で考える、都市のグレート・リセット

新型コロナウイルスのパンデミックにより、人々が密集して暮らし、刺激に満ちていた都市の生活は、激変を余儀なくされた。だが、今回のパンデミックを、テクノロジーと都市生活の在り方を大きく見直す機会と考えることはできる。都市特集に寄せる、米国版責任編集者からのエディターズ・レター。 by Michael Reilly2021.08.03

最後に行ったコンサートのことを覚えているだろうか? あるいは、一番恋しいのはレストランかもしれない。それとも、演劇やミュジカル、アートギャラリー、博物館、パブでの楽しい夜、クラブ、野球やバスケットの試合だろうか。どれもこれも、あの頃が懐かしい。

集まって、何かの一部になることで感じる興奮は、都市の特質だ。都市は人々を結びつけ、鼓舞し、創造性を刺激する。最盛期の都市は人間の業績の記念碑であり、人々をあちこちから引き寄せる。都市は新しいアイデアや文化に対する人々の目を開かせ、通りや建物、混雑した歩道を合わせたもの以上の存在になる。

だが、この1年間、都市はおそらく、最悪の場所のように感じられてきた。密集状態は敵であった。多くの人々は、可能であれば、家に身を潜めたり、田舎のどこかに逃げたりした。ロックダウンが課せられ、人々はそれぞれ適所に避難した。人々が知っていた都市の生活は終わりを告げ、もう二度と戻って来ないかもしれないと感じられた。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックの真っ只中に人々が心に抱いたこの問題は、都市の将来が、これまでのどの時代よりも不確かに見えたときに一緒にやって来た。だが、人々がよく見れば見るほど、都市に対して希望を持ち続けるだけでなく、都市のすべてを、その可能性すべてを賞賛すべき理由が見つかった。

テクノロジーは、都市の物語の大きな部分を占めているし、今後もそうなるだろう。だが、それが良いことなのかどうかは複雑な問題だ。一方は、都市が住民により良いサービスを提供するのに役立つ技術システムがある。輸送計画システム企業のリミックス(Remix)についての記事で筆者のジョン・スリコが断言しているように、地域に貢献するソフトウェアは、人々の生活を改善する強力なツールになり得る。例えば、インドのスラム街の住民に住所を表すデジタルコードを与えることで、必要なサービスへのアクセスや、ピザの配達のような簡単な利便性を提供できたとショーマ・アブヤンカールは書いている。ジョセフ・ダナは、南アフリカのケープタウンが、ほぼ毎日発生する停電を回避するために、新たに利用可能となった安価な再生可能エネルギー源を使用する権利を要求していることを紹介している。

しかし、地方自治体と地方自治体がサービスを提供する人々のニーズは、規模と市場シェアを優先するテック企業の意向とは一致しない。ジェニファー・クラークが書いているように、巨大テック企業が「未来の都市」を実現すると約束するときには、私たちは細心の注意を払って進む必要がある。その緊張関係は、ローワン・ムーア・ゲレティによるユタ州オグデンの警察についての生々しい報告に、はっきりと現れている。オグデンの警察は驚くほどたくさんの監視カメラ、ナンバープレート認識、ドローンなどを使用していくつかの凶悪犯罪を解決したが、市内の最も脆弱な住民を監視するためにもそれらを使用している。巨大企業による都市生活の乗っ取りの暗黒面は、ティム・モーハンの重苦しいフィクション『アンペアード(Unpaired、対になっていないという意味)』でも示されている。

都市における力を持つ側と力を奪われた側の争いは、人々が我が家と呼んでいる、まさにその建物、地区、仮設住宅に直接埋め込まれている。そのことは、ジョニー・ミラーによる、ミネアポリスからムンバイまでの都市の見事な航空写真でミラー自身が知った通りだ。「都市」という言葉は、きらめく高層ビルや輝くスカイラインのイメージを思い起こさせるかもしれないが、現実はまったく異なっているようだ。ファビオ・ドゥアルテ、ワシントン・ファジャルド、そしてカルロ・ラッティの指摘によると、現在、約20億人が非公式の集落に住んでおり、今日、最も有名な都市の多くが、それと同じようにして始まったという。実際、アナリー・ニューイッツが書いているように、アンコール、ポンペイ、ニューヨークなどの地の何世紀にもわたる歴史の中に、どのようにして大都市が生まれ、誰がそれらの都市を作ったかについて、人々の一般通念を揺るがすような多くの発見がなされている。

未来は、もちろん私たちが形作るものだ。多くの都市では、成長を前にして、老朽化したインフラが大惨事を引き起こす可能性がある。アンドリュー・ザレスキーは、テクノロジーには、都市が最も基本的なニーズの1つを満たす方法を改善する上で、果たすべき大きな役割があると書いている。それは下水の安全な処理だ。ガブリエル・メリットは、汚染の問題があるところには、チャンスがあると指摘している。世界中の最も人口の多い100都市が、世界の二酸化炭素排出量のほぼ5分の1を占めており、それらの都市はほぼすべて、桁外れに大きく成長すると予想されている。実際、都市化のペースはとどまるところを知らない。リン・シンが詳述しているように、中国は、相互接続された5つの「都市クラスター」を建設することを計画しており、それぞれに1億人の人々を収容する。これらの大都市のリーダーが下す決断は、地球規模の気候変動の行方にとてつもなく大きな影響を及ぼすだろう。

いつまた安全に集まり、都会の生活の甘い果実を楽しめるようになるのかはまだわからないが、いつか、その日は来る。そうなったとき、少なくとも2つのことは保証できる。都市は再び繁栄するだろうということ、そして、注意深く物事を運べば、都市はさらに良いものになるだろうということだ。

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マイケル・レイリーはニュースと解説担当の上級編集者です。ニュースに何かがあれば、おそらくそのニュースについて何か言いたいことがあります。また、MIT Technology Review(米国版)のメイン・ニュースレターであるザ・ダウンロードを作りました(ぜひ購読してください)。 MIT Technology Reviewに参加する以前は、ニューサイエンティスト誌のボストン支局長でした。科学やテクノロジーのあらゆる話題について書いてきましたので、得意分野を聞かれると困ります(元地質学者なので、火山の話は大好きです)。
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