ブラジルでデング熱の患者が急増している中、細菌により同病気の感染力を低下させた蚊を人工的に繁殖させて放出する試みが進んでおり、一部の地域で功を奏しつつある。
胚性幹細胞(ES細胞)を使った研究は誇大広告ばかりで、医療への応用はまだ確立していない。ノイロナ・セラピューティクスのてんかん治療は、幹細胞テクノロジーのブレークスルーになるかもしれない。
米国テキサス州において、牛と酪農従事者への鳥インフルエンザ感染事例が新たに報告された。鳥インフルエンザのヒトへの感染について過度に恐れる必要はないが、より良い戦略を設ける必要性を浮き彫りにしている。
ヒトの臓器の特徴をある程度備えた3次元構造の細胞塊であるオルガノイドには、さまざまな利用法が期待されている。すばらしいものから、不安を抱かせるものまで、これまでに提案されたいくつかの用途を紹介しよう。
ある研究チームが下水をたどって、非常に奇妙な新型コロナウイルス変異株の発生源にたどりついた。下水監視が1人の感染者探しに変わると、難しい倫理的な問題が浮き彫りになる。
英国の研究チームが、羊水に含まれている胎児の生細胞から肺や腎臓のオルガノイドを作製することに成功した。胎児の発達過程の研究や、特定の疾患の早期発見につながる可能性がある。
長寿クリニックは、主に富裕層を対象にさまざまな高額なサービスを提供しており、なかには怪しげなものもある。最近では、長寿医学の治療行為を正当な医学分野として確立し、ゆくゆくは大衆化させようとする動きが出てきた。
新しい遺伝子療法が世界で最も高価な薬として登場した。価格は425万ドル。異染性白質ジストロフィー(MLD)という希少疾患を対象としており、その高額な価格設定が、治療の経済的持続可能性に疑問を投げかけている。
下水からその地域に住む人々の感染状況が分かる「下水サーベイランス」。新型コロナのパンデミックで一躍注目されたこの技術の米国での普及をリードしたのが、当時スタートアップに勤めていた遠藤礼子だ。
人工知能(AI)を活用して新薬開発をスピードアップすることを掲げる企業が急増。そのうちの1社であるインシリコ・メディシンは、致命的な胚の疾患の治療薬において、ヒトを対象とした第2相臨床試験まで初めて進み「真のAI創薬」を実現したと主張している。
デング熱などの蚊が媒介する感染症対策として、ブラジルのスタートアップが不妊化した蚊をドローンで放つ研究を進めている。
私たちが飲んで体外に排出される薬剤の成分、シャンプーや美容液などが流れ込む下水の処理施設は、こうした汚染物質を処理するように設計されていない。ところが、臨機応変に対応する微生物にとっては宝になるかもしれない。
昨年11月、日本で承認された自己増殖型mRNA(saRNA)ワクチンが注目されている。従来のmRNAワクチンとどう違うのか。
植物の葉から抽出した細胞を使って、木を伐採せずに木製品を作り出す。フォレイ・バイオサイエンス(Foray Bioscience)が目指す、新たなモノづくりだ。
アラバマ州最高裁判所は、研究室の人工授精で作られた胚は子どもであるとの判決を下し、関係者に大きな衝撃を与えた。幹細胞から作られる人工子宮や人工胚など、開発中の将来の技術に影響を与える可能性がある。
これまで遺伝子組み換え植物は主に農場向けに売られてきたが、最近では一般消費者の家庭菜園や園芸向けに直接販売されるようになった。記者も紫色のトマトと光るペチュニアを73ドルで購入してみた。
血中酸素濃度を計測するパルスオキシメーターは、使用者の肌の色によって計測値が変わってしまう問題を抱えている。さまざまな研究者が問題解決に向けて知恵を絞っているが、米国食品医薬品局は決定的な解決策を見つけ出せていない。
異種間の臓器実験のために脳死状態の人の身体が求められている。遺伝子編集された異種の組織を使った、ヒトへの臓器移植の実験を始める企業や研究者が増えているからだ。
欧米で麻しん(はしか)の感染が拡大している。ポリオ、新型コロナウイルス、エム痘などの追跡に使われた下水監視は早期警戒システムとして機能するだろうか。
新たな研究は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)後遺症(ロング・コビッド)の原因が、免疫系の特定の部分の異常にある可能性を示している。
有効な治療法が確立されていない難病患者にとって、遺伝子編集を伴う実験的治療法は生存を賭けた大きなチャンスとなる。リスクがあっても治療を切望する患者は少なくないが、「試す権利」の決定には複雑な問題が絡んでいる。
脳死状態の患者に遺伝子編集されたブタの肝臓を接続し、血液を循環させる試験が米国で実施された。複数のバイオテック企業が異種移植を目指しているが、臓器の体外利用が先行して進む可能性がある。
食欲を抑えることで減量を助けるウゴービやマンジャロのような肥満症治療薬が米国で承認され、人気となっている。これらの薬は効果があるが、高価で保険も効かないうえ、健康への長期的な影響はまだ不明だ。
CRISPRによる遺伝子治療がいよいよ医療現場に導入され始めた。鎌状赤血球病はCRISPRによって克服される最初の病気であるが、料金は200万ドルから300万ドルになると予想される。
結核と他の呼吸器疾患を咳の音で区別できるスマホアプリが開発された。音を使って病気を診断するというAI医療の新トレンドは大きな可能性を秘めている。