34歳のシャオシン・シアは、量子コンピューター部品や高度電子デバイスの製造を飛躍的に高速化するとともに、核融合燃料カプセルの量産を可能にする3Dプリンティング・プロセスを改良した。
一般的な3Dプリンターがプラスチックなどの材料を薄層状に積み重ねて造形するのに対し、シアは二光子重合(two-photon polymerization)プリンターを用いている。この技術は数十年前から存在し、光が照射された部分のみで反応する樹脂材料にレーザー光を集光し、内部からナノスケールで硬化構造を形成する。
この方式では約100ナノメートル、すなわち毛髪の太さの約1000分の1という高解像度で造形できる。「量子コンピューターで用いられる部品や、まったく新しい特性を持つ材料構造を作ることができます」とシアは述べる。しかし、造形速度が極めて遅いことから、従来は研究室内の実験用途にほぼ限定されていた。「極細のペンで描いているようなものです。広い面積を埋めるのは非常に困難です」と彼は説明する。
この課題を解決するため、シアは二光子プリンターのレーザーを同時に最大10万点へ集光可能にするメタレンズ・アレイの開発に貢献した。「印刷速度は約1000倍に向上します」と彼は言う。従来は床に落とすと見失うほど小さなサイズの構造しか作れなかったが、現在では最大約1インチ(約2.5センチメートル)幅の構造体を造形できる。
この技術は、核融合エネルギー実現という夢に一歩近づくのに役立つかもしれない。慣性核融合で用いられる中空の微小燃料カプセルは、これまで重水素・三重水素(DT)燃料を充填するまでに数カ月を要する場合があった。しかし、商用規模の炉では1日あたり50万個以上のカプセルを消費すると見込まれており、この製造速度は大きな課題だ。シアらは現在、カプセルの造形とDT燃料の充填を低コストかつ最短1日で実施できるようにしている。
「これまでで最も優れた二光子印刷技術の活用方法です」とシアは語る。
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