23歳のガヴィン・ウベルティは、「Sohu(ソーフー)」と呼ばれるチップを共同設計した。ChatGPT(チャットGPT)などの生成AIアプリケーションで用いられる特定の計算処理において、エヌビディア(Nvidia)の最先端チップの約10倍のスループットを実現できるとされる。この性能向上は、大規模言語モデルの能力を押し上げ、ロボット工学、コンピュータービジョン、分子生物学など多分野での進展を加速させる可能性がある。
ウベルティの戦略は概念的には単純である。市場リーダーであるエヌビディアのH100などのGPUが多用途設計であるのに対し、Sohuは単一用途に特化している。特定用途向け集積回路(ASIC)として設計され、トランスフォーマー型AIアーキテクチャの中核をなす行列演算に最適化されている。
「2022年に私たちは賭けに出ました」とウベルティは語る。AI市場が最終的にトランスフォーマーへ収斂するという予測だった。当時は畳み込みニューラルネットワークや長短期記憶(LSTM)など多様なアーキテクチャが競合しており、決して確実な見通しではなかった。
この2年間で、トランスフォーマーは他のアーキテクチャに取って代わりつつある。ウベルティはハーバード大学を中退し、エッチド(Etched)を共同創業してこの戦略に賭け続けている。AI業界が別の方向へ進めば同社は打撃を受けるが、予測が的中すれば、世界有数の企業へ成長、あるいはその一社に買収される可能性がある。シリーズA後に1億2000万ドルの資金を確保し、4ナノメートルプロセスで製造するためチップ製造大手のTSMCと提携しており、現在は市場投入と迅速な拡大に注力している。
暗号資産分野の事例が参考になるかもしれない。ビットコイン計算の初期段階では汎用GPUが主流だったが、現在では高効率なASICが完全に主役となっている。ウベルティは、同様の転換がAI分野でも起こると見ている。
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