KADOKAWA Technology Review
×
【夏割】年間購読料が今なら20%オフ!お得なキャンペーン実施中
発明家
CATHRYN VIRGINIA
35歳未満のイノベーター35人 2020発明家
新しいタイプの電池、太陽光パネル、マイクロチップなど、未来を拓くイノベーション。

Manuel Le Gallo マニュエル・ル・ガロ (34)

所属: IBM基礎研究所

より高速でエネルギー効率が高く、高精度なコンピューティング・アーキテクチャを開発し、AIモデルの訓練における電力消費量の削減に成功した。

典型的な自然言語処理モデルの訓練には膨大な計算パワーが必要であり、大量の二酸化炭素を排出する。その量は、米国製セダン車が耐用年数内に放出する炭素量のほぼ5倍に相当する。画像認識モデルの訓練で消費されるエネルギーは、一般的な住宅で消費されるエネルギーの2週間分だ。大手テック企業は1日に複数回、こうしたモデルの訓練を実施している。

現代のコンピューティングではメモリとプロセッサーの間でデータを絶えず転送する必要があり、エネルギーの多くはそのために使用されている。マニュエル・ル・ガロはIBMの研究チームと協力して、より高速でエネルギー効率が高く、しかも高精度な、新しい種類のコンピューティング・アーキテクチャを実現するためのテクノロジーを開発している。

ル・ガロの研究チームは、メモリ自体を使用してデータを処理するシステムを開発した。これまでの研究ですでに、精度と大幅なエネルギー節約の両方を実現できることが示されている。研究チームは最近、従来の方法で実行した場合のわずか1%のエネルギーで処理を完了した。

金融分野から生命科学に至るまでの企業が人工知能(AI)モデルを改善するため絶えず訓練を実施しており、今後もエネルギー需要は急増するだろう。「私たちの手法により、二酸化炭素排出量と、モデルの訓練に費やされるエネルギーは確実に削減され、モデルの高速化とエネルギー効率向上が可能になります」とル・ガロは言う。

人気の記事ランキング
  1. Three big things we still don’t know about AI’s energy burden ようやく出てきた生成AIの電力消費、残された3つの疑問
  2. Synthesia’s AI clones are more expressive than ever. Soon they’ll be able to talk back. 「不気味の谷」越え近づく? 進化した最新AIクローン技術
人気の記事ランキング
  1. Three big things we still don’t know about AI’s energy burden ようやく出てきた生成AIの電力消費、残された3つの疑問
  2. Synthesia’s AI clones are more expressive than ever. Soon they’ll be able to talk back. 「不気味の谷」越え近づく? 進化した最新AIクローン技術
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る