KADOKAWA Technology Review
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エネルギー/持続可能性
35歳未満のイノベーター35人 2025エネルギー/持続可能性
これら気候分野のイノベーターたちは、海運からファッションに至るまで幅広い産業を脱炭素化する技術を生み出している。また、持続可能エネルギーを活用する新しい方法や、回収した二酸化炭素の斬新な利用法も見出している。

Sarah Lamaison サラ・ラメゾン (31)

所属: ディオキサイクル(Dioxycle)

化石燃料ではなく電力を使って化学物質を合成する。

シャンプーボトル、フローリング、繊維といった製品に必要な化学素材は、しばしば環境への大きな負荷を伴う。現在、化学産業は世界の二酸化炭素排出量の約5%を占めている。

31歳のサラ・ラメゾンは、パリを拠点とするスタートアップ、ディオキサイクル(Dioxycle)の共同創設者兼CEOである。同社は電力を活用して化学物質を製造する新しい方法を開発しており、その過程で温室効果ガスの排出を抑制できる。

カギを握るのは電解装置。電気を使って化学反応を起こす装置である。ディオキサイクルの装置は、一酸化炭素と二酸化炭素をエチレンへと変換できる。エチレンはプラスチック包装、繊維、次世代燃料の原料として利用される。

DIOXYCLE.COM

従来のエチレン製造は非常にエネルギー集約的で、炭化水素と水蒸気を炉内で超高温まで加熱する必要がある。ラメゾンによれば、同社のアプローチは化石燃料に由来する熱の代わりに安価でクリーンな電力を使うことで、従来のコストと同等か、それを下回る可能性がある。

もっとも、その実現にはさらなる工夫が必要だ。現在、電力コストは同社製品の最終コストの半分以上を占めており、消費電力量の削減が大きな課題となっている。また、電解装置は需要に応じて出力を調整できるため、太陽光が豊富な地域の晴れた午後など、安価な持続可能エネルギーを効率的に活用できる。

ラメゾンと共同創設者は2021年にスタンフォード大学を離れてディオキサイクルを立ち上げ、最初の数年を電解装置の開発とスケールアップに費やした。切手ほどのサイズの試作機から始まり、現在は自動車ほどの大きさの商用規模へと発展させた。現在は、今後2年以内に予定されているパートナー企業との実証実験に向け、さらに商用規模の装置の開発を進めている。

研究の進展とスケール拡大に一定の成果を収めてきたが、ラメゾンは冷静に見ている。「厳しい道のりですが、挑戦し続けなければなりません」。

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