KADOKAWA Technology Review
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【3/14】MITTR主催「アクセシビリティとテクノロジー 」開催 申込受付中
構想者
35歳未満のイノベーター35人 2018構想者
新しい視点で物事を捉え、強力かつ時に型破りなテクノロジーの使い方を見出す。

Shehar Bano シャール・バーノ (31)

所属: ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン

国家検閲と戦い、テクノロジーの解明で検閲を回避できるようにした。

シャール・バーノは、インターネットの国家検閲と戦う方法を編み出した。どのように検閲されているのかを、初めて体系的に研究する先鞭を付けたのだ。

バーノの祖国であるパキスタンの政府が、2012年にユーチューブ(YouTube)への接続を遮断したことから、すべては始まった。彼女は、そのような規制に潜む仕掛けについてこう語る。「人々はかつて、これは魔法なのだと思い込んでいたのです」。しかし、彼女はその仕掛けを理解し、そして打ち破りたいと望んだ。

そこで、バーノはパキスタンの3年分のインターネット・サービス・プロバイダ(ISP)データを精査し、中国の検閲システム「グレート・ファイアウォール」をかいくぐる方法を使って実験した。彼女が発見したのは、わりあい基礎的な技術を使ったさまざまな規制だった。たとえば、特定のWebサイトを読み込むリクエストを探し、Webサイトのサーバーと閲覧者のブラウザーの双方にリクエスト終了の信号を送るという検閲システムだ。このことを知った彼女は、暗号化に頼ることなく規制を回避する方法を考え出そうとした。たとえば、検閲システムによるチェックは受けるが、間違ったスペルのため検閲システムから無視される偽のリクエストを最初に送信し、その間に本物のリクエストを送信して監視の目をすり抜けるというものだ。

バーノはオンライン検閲だけを分析したのではない。彼女はまた、トーア(Tor)や広告ブロッカーなどの匿名化ソフトとセキュリティ・ソフトを使用しているWeb閲覧者が、そうした保護策を使っていない閲覧者と比べて異なる扱いを受けているのかも調べた。扱いとは、ユーザー・エクスペリエンスの質が落ちる、完全に締め出されてしまうといったことだ。

オンラインでのコミュニケーションの自由を守るために役立とうとしているコンピューター科学者の動きに、バーノも参加している。ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンの博士研究員であるバーノは、スマート・コントラクト・プラットホームである「チェーンスペース(Chainspace)」のようなブロックチェーンを基盤としたシステムで、外部から監視されにくいトランザクションによってオンライン・セキュリティと透明性を改善するための研究を重ねている。

(ルース・ジャスカリアン)

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