
ナタリヤ・ベイリーは、小さいものでは靴箱サイズから大きいものでは冷蔵庫サイズに至る人工衛星を、ほぼ10セント硬貨大のエンジンで推進する方法の開発に貢献した。このエンジンはいわゆるエレクトロスプレー推進のアイデアに基づいており、電気エネルギーを使用して小型ロケットを駆動する。
エレクトロスプレーの技術は長年にわたって研究されてきた。研究者は1950年代にこの技術の研究を始めたが、当時の取り組みは断念された。非常に高い電圧を必要としたことと、関連する物理学がよくわかっていなかったことが理由だ。ベイリーは、エネルギー効率が良く、毒性のある推進剤や加圧タンクを必要としないエレクトロスプレーの利点を活かすことができた。人工衛星のサイズに応じて、単独で使用したり、他のエンジンと一緒に使用したりできる小型エンジンを作成したのだ。
ベイリーは、このテクノロジーを商品化するための企業、アクシオン・システムズ(Accion Systems)をボストン郊外に設立した。ベイリーは、ロケット科学の分野は男性中心の世界のように感じるが、うまくいったという。「この分野に極めて少ない女性の一人であることで、余計に目立っています。そして、恐らくそのおかげで、他の分野では得られなかったであろう機会に恵まれたのだと思います」。
(エリカ・ベラス)
- 人気の記事ランキング
-
- Namibia wants to build the world’s first hydrogen economy 砂漠の国・ナミビア、 世界初「水素立国」への夢
- Promotion MITTR Emerging Technology Nite #33 バイブコーディングって何だ? 7/30イベント開催のお知らせ
- Promotion Call for entries for Innovators Under 35 Japan 2025 「Innovators Under 35 Japan」2025年度候補者募集のお知らせ
- What comes next for AI copyright lawsuits? AI著作権訴訟でメタとアンソロピックが初勝利、今後の展開は?
- Why the US and Europe could lose the race for fusion energy 核融合でも中国が優位に、西側に残された3つの勝機
- Google’s electricity demand is skyrocketing グーグルの電力使用量が4年で倍増、核融合電力も調達へ
タグ | |
---|---|
クレジット | Photograph by Chelsea Mudlo |
著者 | MIT Technology Review編集部 [MIT Technology Review Editors] |