チェルシー・フィンは、周囲の環境を観察および模索することで学習するロボットを開発している。フィンのアルゴリズムでは、通常の人工知能(AI)を訓練するのに必要となるデータ量よりも少ないデータ量で訓練ができる。その量は非常に少なく、ソフトウェアを実行するロボットが、人間が動作する映像を1本見るだけで、物体を操作する方法を学べるほどだ。
フィンのロボットは、幼児のように振る舞う。大人が何かをするのを見て、真似をするのと同じだ。研究室にある木製の形合わせのおもちゃには、ロボットが赤いキューブを四角い穴にはめることを学ぶまでに何度もぶつけた場所に跡が残っており、このプロセスを証明している。
フィンの究極の目標は、特定のタスクを実行できるようにプログラムされているのではなく、一般的なスキルセットを自ら観察して学ぶように教え込まれているロボットを送り出すことだ。こうしたロボットは、工場でエンジニアチームに訓練されなくても学べるロボットや、ラベル付けされた画像で訓練しなくても物体を認識できる人工知能(AI)システムの開発につながる可能性がある。
フィンは、ロボットの妥当な中間目標を、テーブルのセットの仕方を教えることだと考えている。はじめに、複数の物体を配置する方法を学べるロボットを作る。「いろいろな意味で、ロボットシステムの能力はいまだに乳児レベルです」とフィンは話す。「彼らに常識を習得させることが目標です」。
(キャサリン・ブルザック)
- 人気の記事ランキング
- Advanced solar panels still need to pass the test of time ペロブスカイト太陽電池、真の「耐久性」はいつ分かる?
- Why hydrogen is losing the race to power cleaner cars 「いいことずくめ」の水素燃料電池車はなぜEVに負けたのか?
- I used generative AI to turn my story into a comic—and you can too プロンプト不要、生成AIで誰でも物語からマンガが作れる
- Trump wants to unravel Biden’s landmark climate law. Here is what’s most at risk. 「もしトラ」に現実味、トランプ返り咲きで気候政策はどうなる?
タグ | |
---|---|
クレジット | Photograph by Kojo Acquah |
著者 | MIT Technology Review編集部 [MIT Technology Review Editors] |