全米アカデミーズは11月4日、「天文学・天体物理学の10カ年計画」の報告書を発表した。科学的優先事項として、居住可能な太陽系外惑星、ブラックホール、銀河の起源と進化を挙げている。
NASAは、月や他の惑星を探査するために、自律型の小型ローバー隊を開発している。1台のローバーに問題が起こってもミッションを継続できるうえ、従来のローバーでは行けない場所も探索できるようになる。
コンピューターの進化は、天文学者が宇宙の謎を解くのに大いに役立っている。ブラックホールの衝突、全天サーベイ、インフレーション宇宙論のそれぞれで、最新コンピューティング技術が使われている例を紹介しよう。
NASAの探査機「ルーシー」が、10月16日にフロリダ州ケープ・カナベラルから打ち上げられた。ビッグバン以来比較的変化がないとされる木星周辺エリアの小惑星群を調査することで太陽系の歴史を探る旅が今、始まろうとしている。
全米アカデミーズの「天文学・天体物理学の10カ年計画」は、次の10年間に向かうべき宇宙探査の方向性を決定づけるものだ。作成にあたっては研究者から提出された膨大な提案を専門家が選別する必要があるが、プロセスを効率化するために人工知能(AI)の活用を提案する研究チームがある。
中国の月探査機「嫦娥5号」が持ち帰ったサンプルの分析によって、月はこれまで想定されていたよりも長期間にわたって火山活動が活発であった可能性が示されている。
民間人のみによる初の宇宙飛行など、商業ベースの宇宙活動が急増している。ところが、現在世界各国が合意している「宇宙条約」は冷戦期に策定したもので、現在のような事態を想定していない。今こそ条約を改正すべきだと識者はいう。
人工衛星の大量打ち上げによって、将来の衝突事故の可能性が懸念されている。宇宙・航空政策の専門家は、宇宙交通の安全を確保する最善の方法は、海事法の考え方を取り入れることだという。
民間人による民間人だけの宇宙旅行計画「インスピレーション4」がいよいよ始まった。人類が長らく夢見た、有人宇宙旅行の時代はついに開くのか。
宇宙探査機を小惑星にぶつけて軌道を逸らす実験である「DART」ミッションが年内にも打ち上げられる。主な目的は小惑星の公転周期を変化させることだが、シミュレーションによると衝突の衝撃で小惑星の自転にも大きな影響が出る可能性が分かった。
ネットフリックスのドキュメンタリー作品「宇宙へのカウントダウン」が現在配信中だ。史上初の民間人だけによる宇宙飛行に迫る作品で、スペースXの広告ような内容だが、見どころもある。
スペースXが、大量の通信衛星群によるインターネット接続サービス「スターリンク」のベータサービスの提供を開始した。だが、当面の間、対象は経済的に余裕のある顧客に限られ、同サービスが発展途上国にどのような影響を与えるかは不明だ。
NASAの火星探査車「パーサビアランス」は、ジェゼロクレーターから岩石と砂のサンプルを採取するのに成功した。同クレーターは火星古代の三角州の跡であり、生き物の化石が見つかる可能性がある。
中国がチベット高原における大型望遠鏡の建設計画を進めている。同高原の天体観測所としての条件は、すでに大型望遠鏡が設置されているチリやハワイに匹敵し、天文学における中国台頭の可能性を示唆している。
カリフォルニア工科大学の研究によると、土星内部には岩石や氷のような物質が密集した明確なコアは存在せず、ぼんやりと拡散したコアが存在するという。NASAのミッションで収集された土星の環の地震計データからモデル化した。
スタンフォード大学の研究チームが、超大質量ブラックホールの背後から放出されたX線を初めて検出した。超大質量ブラックホール周囲の時空の歪みによるもので、アインシュタインの一般相対性理論が正しいことを示す新たな証拠と言える。
ボーイングは8月3日、自社開発の宇宙船「スターライナー」で国際宇宙ステーションへ向かう無人ミッションを打ち上げる予定だ。2019年12月の同様の試験飛行は失敗に終わっており、宇宙開発における同社の命運を賭けたミッションとなるだろう。
NASAの火星着陸船インサイトから届けられた地震計のデータから、火星の内部構造が以前に考えられていたよりも複雑であることが分かった。継続して調査すれば、地球との違いがさらに明らかになりそうだ。
米国の科学者チームは、新たな冥王星探査ミッションである「ペルセポネ」をNASAに提案している。目標は、前回のニュー・ホライズンズの調査で上がった太陽系形成に関する疑問と、有機物がかつて地球の外で存在していたのかという疑問に取り組むことだ。
アマゾンの創業者であるジェフ・ベゾスは7月20日、自身が所有する企業ブルーオリジンのロケットに乗り込んで宇宙旅行を成功させた。その10日前にはヴァージン・ギャラクティックの創業者が宇宙に到達しており、両社のフライトは宇宙旅行の未来に大きな足跡を刻んだ。
全米アカデミーがNASAに提出した報告書は、宇宙飛行士の放射線被曝線量の新基準を提案している。背景には、NASAの月や火星への新しいミッションに、女性飛行士を参加させたいという強い願いがある。
太陽圏観測衛星「IBEX」のデータを使用して新たに作成された、太陽圏の三次元全体地図が発表された。太陽圏は、宇宙から飛来する有害な放射線から地球を保護するシールドの役割を果たしており、その構造を博することは実用目的にも役立つ。
ヴァージンの創業者であるリチャード・ブランソンは、ヴァージン・ギャラクティックの宇宙飛行機に搭乗し、自身初の宇宙飛行をした。宇宙への一番乗りを目指す億万長者たちの競争は子どもじみているが、商業宇宙旅行の幕開けとなるかもしれない。
カナダの宇宙飛行士であるデイビット・セイント・ジャックスは、エンジニア、天体物理学者、医師という異なるキャリアの道を歩んできた。そのすべてが宇宙飛行士としての任務を達成するのに役立ったという。
アリゾナ州に本拠を置くロケット打ち上げ企業のファントム・スペースは、「宇宙のヘンリー・フォード」となってロケットを量産し、年間100回の打ち上げを目指している。スペースXの創業メンバーが率いる同社は、ライドシェアのトレンドに反して成功を収めることができるか。