海王星よりも外側の軌道を周回するトランスネプチュニアン天体の動きから、太陽系には未知の「第9惑星」が存在すると考えている天文学者たちがいる。第9惑星の正体は不明だが、最近の「光学重力レンズ観測」プロジェクトの成果を踏まえて、第9惑星が「原始ブラックホール」ではないかというアイデアが提唱されている。
NASAは、火星探査機「インサイト(InSight)」が観測した火星の地震の録音データを公開した。 この録音データは、火星と地球にどれだけ共通点があるかを示すと同時に、何十億年もかけて、この2つの星がどれだけ別の星へと形を変えていったかを示す証拠となっている。
宇宙へ送る探査機が大きくなるにつれ、惑星への着陸や地球への帰還のために解決すべき課題も大きくなっている。あるNASAのエンジニアが取り組んでいるのが、よりよい断熱システムの開発だ。
カナダの宇宙企業がスペース・デブリを40基のコンステレーション(衛星群)で追跡すると計画している。この計画は宇宙のゴミを増やすのか、衛星とゴミの衝突を避ける機会を増やすのか?
欧州宇宙機関とスペースXの人工衛星のニアミスは現在のシステムの弱点を浮き彫りにした。今後計画される2万基を超える衛星の衝突を防ぐには新たな仕組みづくりが必要だ。
宇宙航空業界のスタートアップ企業、レラティビティ・スペースはロケットのほぼすべてを3Dプリントで製造しようとしている。業界内での評価は割れているが、多額の資金と優秀な人材を獲得した2人の創業者は、誰よりも早く未来を実現しようと邁進している。
2024年までに人類を再び月面に送り込む米国の「アルテミス計画」の発表は大きな注目を浴びた。だが、その実現可能性は、予算不足を始めとするさまざまな問題によって日に日に低下するばかりだ。
小型衛星の推進装置として、化学燃料ロケットより小型かつ軽量で高効率のプラズマ推進装置が搭載されることが多くなっている。しかし、現在のプラズマ推進装置は、制御が難しいうえに効率も低く、エンジン自体を損傷することもある。そこでパデュー大学の研究者らは、高効率の液体燃料パルスプラズマ推進装置を設計した。
1969年7月20日。アポロ11号が月面着陸を成功させてから50年が経った。この間、テクノロジーは大きく進化したにも関わらず、人類は月へ行っていない。いま再び動き出した計画は何を意味するのか。人類はなぜ月を目指すのか。
マステン・スペース・システムズ(MSS:Masten Space Systems)のデイブ・マステン最高技術責任者(CTO)は、砂漠の真ん中でわずかな資金をもとにロケットを作っている。2004年の創業以来、幾度もの危機を乗り越え、月を目指し続けるマステンCTOらの挑戦の軌跡。
望遠鏡は口径を大きくするほど、遠くの宇宙まで観測できるようになるが、大きな望遠鏡を建設するのには莫大な費用がかかる。コロンビア大学の研究者は、地球の大気による光の屈折現象を利用することで、直径150メートルの地上望遠鏡に匹敵する集光力を備えた、地球サイズの望遠鏡「テラスコープ」を実現できる可能性を示した。
地球上には大勢の人間が住んでいるが、宇宙飛行を経験したことのある人たちは、そのうち極めてわずかだ。彼らは宇宙でどんな体験をし、どう感じたのか。10人の宇宙飛行士の回顧録から、臨場感あふれる興味深い一節を紹介する。
くじら座の銀河団の一員である「ホルム15A」の中心に、天体観測史上最大のブラックホールが見つかった。地球から7億光年の彼方にあるが、ブラックホールの初撮影に成功した「イベント・ホライズン・テレスコープ(EHT)」で撮影できる可能性が十分にある大きさだ。
火星を第2の地球にするためには、火星の表面を温める必要がある。火星の氷冠にシリカエアロゲルを設置して熱を閉じ込め、液体の水を作るというハーバード大学の研究者らの計画は荒唐無稽に思えるかもしれないが、いつの日か、この方法によって火星表面で植物を栽培できるようになるかもしれない。
物理学者や天文学者によると、宇宙は目に見えないが質量を持つ暗黒物質(ダークマター)で満たされており、太陽系はその中をかき分けるように進んでいるという。ダークマターの大きさや質量はまだ分かっていないが、体内を貫通したダークマターによって死傷した人が見当たらないことから、その範囲をある程度絞り込むことは可能だ。
地球物理学と宇宙空間プラズマ物理学の博士号を持つスコフ博士は、太陽風や太陽フレア、地磁気嵐などについてインターネット上で説明する「宇宙のお天気お姉さん」だ。太陽活動の影響を受ける消費者向け技術が増えている現在、こうした現象をわかりやすく説明する「宇宙天気予報士」のニーズは今後、高まるかもしれない。
50年前に月面に降り立ったニール・アームストロングは「これは一人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては偉大な飛躍である」と語ったが、月着陸は結局、人間社会を変えることに関してほとんど役に立たなかった。だが、人類の宇宙での活動は、人々の生活を大きく変えた。 ※本記事は、2019年7月3日に公開した記事の再掲です。
チベットの観測所で、宇宙から飛来した500テラ電子ボルトのエネルギーを持つ光子が観測された。このレベルのエネルギーの光子が観測されたのは初めてであり、この光子を生成した領域で起こっている天体物理学的な現象を解明する手掛かりとなるだろう。
直接目にする機会はほとんどないが、人工衛星は今や、天気予報から道案内まで人々の暮らしにすっかり浸透しており、今後も大量の衛星群(コンステレーション)の打ち上げが予定されている。人々の生活に大きな影響を与えそうな4つのコンステレーションの計画を紹介しよう。
空と宇宙の境界は曖昧だ。各国は自国の領土の上の空について領空権を主張する一方で、宇宙には主権が及ばないと考えている。結局、空と宇宙の境界線をどこに設定するかは、それぞれの思惑によって定まるが、民間宇宙旅行を計画している企業にとってはビジネス上の重要な問題となる。
米航空宇宙局(NASA)は、土星最大の衛星である「タイタン」の表面を自律型ドローンで探査するミッション「ドラゴンフライ」の採択を発表した。2026年に打ち上げ、「氷の火山」や生命の痕跡の有無などを調査する予定だ。
火星が地球に準大接近する2020年に向けて、世界中で4つの火星探査ミッションが計画されている。惑星探査機や軌道衛星を用いるこれらのミッションが成功すれば、火星に生命は存在するのか、人類は火星に住めるようになるのか、といった魅惑的ないくつかの問いの答えが得られるかもしれない。
ここ数十年間にわたり、1キロの物体を地球周回軌道に乗せるためのコストは高止まりしていた。だが、再利用可能なロケット「ファルコンヘビー」の登場により、宇宙船の打ち上げコストのより一層の低下と、さらなるイノベーションの兆しが見えてきている。
物理学者と哲学者は長い間、生命が発生し得るのは私たちの住むような、3つの空間の次元と1つの時間の次元を持つ宇宙に限られると主張してきた。だが、カリフォルニア大学の研究者が、2つの次元しか持たない空間でも、重力場が発生し、生命の発生の必要な複雑性を持つ可能性があると示した。
スペースX(Space X)は6月25日、同社製ロケット「ファルコンヘビー」の3度目の打ち上げに成功した。注目は、ペイロードの1つであるキューブサット衛星「スぺーライトセイル2号」だ。