量子コンピューティングが研究対象から実用化に向かうにつれて、グーグルやインテルといった企業は難しい問題の解決に苦慮している。その問題とは、量子コンピューターが出力する量子情報を、いかにして従来のコンピューターに正確に誘導するかということだ。暗号処理やその他の分野で大きな成果が期待される量子システムを有用なものにするにはおそらく、通常のコンピューターがその計算結果を読み取れることが前提となるからである。
マサチューセッツ大学ローウェル校のアルチャナー・カマル助教授がこの問題を解決した。カマル助教授は、量子情報を量子コンピューターから移動させる前に、誘導して伝送用に増幅させられることを実証した。これまで量子情報の伝送には、大きな磁石や単一のチップには収まらないほどの複雑なデバイスが必要だった。このことがデータの遅延や損失を招き、現在のキュービット・システムの規模を拡大するうえでの大きな障害となっていた。
カマル助教授のイノベーションは、情報を運ぶ光信号の経路をわずかに変更することで、信号を伝送するコンポーネントの大きさを25セント硬貨大から数マイクロメートルにまで小さくしたことだ。「この違いは大きいです。この仕組みを使えば、信号の高い忠実度を保ったまま、チップ上で大量の量子信号を処理できます」とカマル助教授は語る。
(ラス・ジャスカリアン)
- 人気の記事ランキング
-
- Young organs may not be a fountain of youth for recipients 若い心臓は体に合わせて老いる——プーチンには残念な研究結果
- Promotion How AI could reshape Japan’s white-collar workforce 【10/6開催】AIで浮いた人材、次の一手は地方に——冨山和彦氏ら登壇
- Smart glasses are already causing havoc in India スマートグラスが普及するインドで広がる「同意なき撮影」被害
- What must happen for AI’s trillion-dollar gamble to pay off AI投資1兆ドルの帳尻は? 「生産性2.7倍が必要」と 経済学者たちは試算する
- The specter of AI-enabled bioweapons is a wake-up call for biotech AIが生物兵器を生む日——6時間で毒性分子4万個の衝撃
