1. 着床前診断は社会に新たな「格差」を生むのか?
    米国において、不妊治療の着床前診断で遺伝子検査を受けるカップルの数が増えている。米国人は一般的に、特定の遺伝的形質を受け継がせるためではなく、生まれて来る子どもの疾患を防ぐために実施する遺伝子検査を認めている。しかし、経済的事情をはじめとする様々な障壁により、着床前診断の遺伝子検査を受けられない人々がいるという事実に目を向ける必要がある。 Laura Hercher6年前

  2. 遺伝子療法の進歩により、遺伝性疾患を治療できる可能性が高まっている一方で、疾患を持つ子どもたちを見つけるスクリーニング検査は遅れている。検査により疾患を持つ子どもを早期発見することで、治療の効果をより高められる可能性がある。 Emily Mullin6年前

  3. ハーバード大学医学大学院のジョージ・チャーチ教授が共同設立したスタートアップ企業が、遺伝子療法による「若返り」の研究を進めている。マウスでの実験から始めて、次にペットの犬に対して同療法を適用して商品として確立し、最後に人間に移行する戦略だ。 Antonio Regalado6年前

  4. 大流行のDNA検査サービス、企業が本当に売りたいものはこれだ
    米国で消費者直販型の遺伝子検査サービスが流行している。だが、こうしたサービスは科学的根拠が薄いことに加えて、検査結果にかこつけて様々な商品を買わせようとすることが多い。サービス利用者の遺伝子データを蓄積し、研究者に売って儲けようとしているかもしれない。 Emily Mullin6年前

  5. 医薬品大手のグラクソ・スミスクラインは、ストリムベリスなど新薬候補の遺伝子療法を、事実上の競合となるスタートアップに企業に売却した。希少な疾患に対して1回完結型の治療を提供する遺伝子療法は、一見すると法外に思える値段を付けても、ビジネスとして成り立たせることは困難だ。 Antonio Regalado6年前

  6. 世界中で増え続ける膨大な量のデータを格納するのに、人工的に合成したDNAを利用する研究がなされている。DNAは非常に高密度であることに加えて、長期にわたり安定しているからだ。現在はデータあたりの価格がまだ高額だが、テクノロジーの改良が進めば、ぐっと手に入れやすい価格になる可能性がある。 Bryan Walsh6年前

  7. 死亡した過激派バイオハッカー、肺がんの遺伝子療法も計画していた
    過激なパフォーマンスが物議を醸していたバイオハッカーのアーロン・トレイウィックが、肺がん向けの遺伝子療法の実施を計画していたことがわかった。トレイウィックの死亡によって計画は中止に追い込まれたものの、実際にメキシコの診療所で治療をするとして被験者を募っていた。 Emily Mullin6年前

  8. カリフォルニアの連続殺人犯の逮捕に、捜査当局が商用の家系図作成サービスを利用していたことが分かり、物議を醸している。捜査員は犯行現場から採取したDNAのデータをアップロードして、犯人の親戚の一人を見つけ出した後、該当者を絞り込んで犯人を特定した。 Antonio Regalado6年前

  9. 生涯にわたる輸血から解放、地中海性貧血の遺伝子療法が治験に成功
    米バイクテク企業のブルーバード・バイオが、遺伝性の血液疾患であるベータサラセミアの患者に対して実施した治験で、遺伝子療法が劇的な成果をあげたことを発表した。今年後半以降に欧州と米国で治療の認可を申請し、治療の提供を開始する計画だ。 Emily Mullin6年前

  10. 遺伝子編集技術を用いて、雄の性別を決定付ける遺伝子をX染色体に挿入することで、雄の子牛しか生まれないようにした雄牛を作り出す研究が進んでいる。雄の子牛は速く成長し、餌を効率的に筋肉に変えられるので、牛肉の生産効率を高められるという考えだ。 Andrew Rosenblum6年前

  11. 遺伝子編集技術「クリスパー(CRISPR)」による治療が有望視されており、欧米では年内にも治験が開始される予定だ。科学者たちはクリスパー療法の効果や安全性を確認するためにサルを使用した実験を実施しているが、事例は少なく、懸念材料は残っている。 Emily Mullin6年前

  12. 米国で遺伝子編集した動物の安全性規制を緩和させるためのロビー活動が活発化している。ビジネスを優先させる姿勢を明確にしているトランプ政権は、規制を変更するのにまたとないチャンスだと業界関係者らは見ているのだ。 Antonio Regalado6年前

  13. 大量飲酒でも脂肪肝になりにくい遺伝子突然変異が発見される
    大規模なDNA解析調査の結果、肝疾患に耐性を持つ遺伝子突然変異を有する人々の存在が明らかになった。飲酒を原因とする肝硬変に罹患する確率が通常より大幅に低く、研究が進めば脂肪肝疾患を抑制する医薬品を開発できる可能性がある。 Antonio Regalado6年前

  14. 遺伝子編集技術CRISPRを適用したマウスにオフターゲット効果が多数発生したと発表して物議をかもしていた論文が取り下げられた。執筆者らは以前の実験結果を再現できなかったとしており、論文を掲載したネイチャー・メソッズは「主張を裏付けるデータが不十分だった」と述べている。 Emily Mullin6年前

  15. 遺伝子診断は、糖尿病やアルツハイマー病といった一般的な病気の発症予測だけでなく、知能指数の予測まで可能になりつつある。 Antonio Regalado6年前

  16. MIT発のスタートアップ企業が、微生物内で医薬品や化学物質を作り出すための「遺伝子回路」を設計するソフトウェアを開発した。電子回路設計ソフトウェアをモデルにしており、数年かかった作業を数週間に短縮できるという。 Monique Brouillette6年前

  17. 超高速にゲノム解析、PCI Expressの光コンピューター
    英国のスタートアップ企業によるPCI Expressカードに搭載する光コンピューターの開発が大詰めを迎えている。高速グラフィックスカードの10倍の速度、4分の1の消費電力でフーリエ変換の演算を実行可能で、DNA解析ソフトと組み合わせて今夏の発売を予定している。 Jamie Condliffe6年前

  18. 自由自在に遺伝子を書き換えられる人工酵母の誕生は、エネルギー問題や医療問題の解決に大きく役立つかもしれない。 Bryan Walsh6年前

  19. 消費者直販型の遺伝子系図検査を利用する人の数が米国で急増している。業界トップ企業がテレビCMなどに投じる広告費は年間1億ドルを超え、DNA検査は今や、一大ブームの様相を呈している。 Antonio Regalado6年前

  20. 従来の医薬品では治療が困難とされているハンチントン病に対して、遺伝子療法による根治を目指す試みがされている。昨年12月に結果が発表された治験では、46人の初期ハンチントン病患者でハンチントンの量が低下するという初の効果が得られた。 Emily Mullin6年前

  21. ブロックチェーンで遺伝子データを売買、ハーバード大教授の狙い
    ハーバード大学の著名な遺伝学者が遺伝子解析企業を創業した。遺伝子データをブロックチェーンを通じて製薬会社や研究機関に共有し、データ所有者が暗号通貨を得られるサービスを提供するという。 Emily Mullin6年前

  22. 唾液から193の遺伝性疾患がわかる、新生児向けDNA検査
    貧血、てんかん、代謝性疾患などの193の遺伝性疾患の有無を、綿棒で採取した唾液から調べられる新生児向けDNA検査が登場した。検査でわかる症状はすべて治療法が存在するものだが、検査結果によっては親が難しい立場に立たされる可能性もある。 Emily Mullin6年前

  23. ステージ上でいきなり注射、過激派DIYバイオハッカーの言い分
    バイオテック企業アセンダンス・バイオメディカルのCEO(最高経営責任者)が、バイオハック会議の壇上で遺伝子治療薬と称するDIY治療薬を注射し、その様子をネット中継した。「遺伝子療法を民主化するため」としているが、専門家は危険な行為だと批判している。 Emily Mullin6年前

  24. 130万人を超える人々のDNAを分析して不眠症の原因となる遺伝子を探す研究が実施された。分析にはUKバイオバンクと消費者向けDNA検査会社のデータを用いており、課題は残るものの今後、こうした大規模な遺伝子研究が増加しそうだ。 Antonio Regalado6年前

  25. 遺伝子療法のキムリアとイエスカルタが米国で昨年承認され、奇跡的な効果が報告されている。しかし、これらの療法による治療を提供しているのはまだ一部の都市に限られており、治療を受けられるかどうか患者がどこに住んでいるかに左右されるのが現状だ。 Emily Mullin6年前

  26. CRISPRによるがん治療、米国初の臨床試験実施へ
    ペンシルベニア大学で、米国初のクリスパー(CRISPR)によるがん治験の準備が整ったことが明らかになった。臨床試験では、がんを検出して攻撃するように遺伝子編集した免疫細胞を人体に注入する。米国立衛生研究所の諮問グループは2016年6月に、同大学の研究者に対して臨床試験の許可を出していた。 Emily Mullin6年前

  27. 質の悪い遺伝性疾患やがんを、たった一回の注射や注入で治癒できる可能性のある「クリスパー(CRISPR)」を使った遺伝子療法は、患者や医療関係者にとってまさに夢の実現だった。しかし、臨床試験に関して言えば、適用疾患は限られ、いったん発表した計画が延期される事例が相次いでいる。 Emily Mullin6年前

  28. カリフォルニアのサクランボに被害を与える外来種のミバエを、遺伝子ドライブで駆除しようとする計画が持ち上がっている。遺伝子ドライブはいったん野に放たれたら止められなくなる恐れがあり、市民団体からの抗議も考えられるため、関係者たちは慎重に事を進めている。 Antonio Regalado6年前

  29. これまで人々の健康状態に結び付けられるような遺伝子情報を収集することは大変な作業だった。しかし、この7月に英国の公的コンソーシアムが50万人分の遺伝子情報を公開したことで、医療・医薬品業界における遺伝子情報の活用が、一気に加速する様相を見せている。 Antonio Regalado7年前

  30. 米国食品医薬品局による消費者への遺伝子情報の直接販売の規制緩和を受けて、DNA検査結果を分析するサービスが急増している。サービスには適切なものもあるが、科学的根拠がほとんど無いものも少なくないため、議論を巻き起こしている。 Antonio Regalado7年前

  31. 遺伝子療法の価格はどこまで下げられるのか?
    遺伝子療法は難病を治療する革命的な方法だが、高額過ぎることがネックになって市場を得られずにいる。ただし、ターゲットとする患者数が増えると、価格が低下する傾向にあるため、今後、比較的低価格の遺伝子療法が登場するかもしれない。 Emily Mullin7年前

  32. RNAを標的とするより安全なCRISPR療法で難病を治療へ
    CRISPRでRNAを編集してハンチントン病や筋萎縮性側索硬化症(ALS)を治療しようとする研究が始まっている。この治療は、効果が恒久的に持続しないという欠点があるが、通常知られているDNAを標的にするCRISPR療法より安全性が高くなっている。 Emily Mullin7年前