NASAの探査機「オサイリス・レックス」は10月20日に、小惑星「ベンヌ」から岩石のサンプルを採取し、地球に持ち帰ることになっている。同探査機の目玉となるミッションに先立って、ベンヌの化学的性質と地質について一連の新しい研究論文が発表された。
軌道上で宇宙機から宇宙機へ何らかの機能を提供する「軌道上サービス」への注目が高まっている。日本企業も参入する新しい宇宙ビジネスの「今」を紹介しよう。
米国の宇宙開発計画は時の政権の方針に翻弄されており、わずか10年強の間にターゲットは月から火星へ移行し、そして再び月に戻った。月ミッションや火星ミッションを軌道に乗せ、遠くない将来に実現させるには、NASAの計画が党派の議論や政権交代から確実に隔離される必要がある。
国際宇宙ステーション(ISS)で発生した空気漏れは、現時点ではさほど大きなトラブルにはなっていない。しかし、宇宙船に衝突して船体に穴やひびを作る可能性のあるデブリ(宇宙ゴミ)は増加する一方であり、何らかの対策を講じる必要がある。
近年、盛んに打ち上げられている人工衛星群(コンステレーション)が夜空で明るい光を放つため、天文学者による天体観測の著しい妨げになることが懸念されている。米国天文学会は、この問題に関する報告書を発表し、解決策を探ることを提言した。
火星の南極付近で、新たに3つの地下湖が発見された。この地下湖の水は濃度の高い塩水であると予測されるが、過酷な環境に耐えられるように進化した微生物が存在する可能性も考えられる。
米国が2024年に実施予定としている「アルテミス計画」の目標は、単に人類を再び月に送り込むことだけではない。月は、後に続く火星有人探査に必要となるテクノロジーの実験場として有用なのだとNASAは主張している。
「イベント・ホライズン・テレスコープ(EHT)」の研究チームは、昨年写真が公開された超大質量ブラックホールについて新たな洞察を発表した。そのうちの一つは、事象の地平面を取り巻く三日月形に光るガスと塵が不安定に揺れ動いているというもので、極限状態における物理現象を解明するのに役立つ可能性がある。
生命体の存在の兆候となる特殊ガス「ホスフィン」が金星の大気中に観測されたことを受けて、金星を直接調査する新ミッションに対する期待が高まっている。金星の謎を解明するには、包括的な探査プログラムを実施するのが効果的だろう。
観測されたホスフィンの存在は、居住可能性が低いとされてきた金星に、何らかの生命体が存在する可能性を示している。
米国航空宇宙局(NASA)が、月面で岩石や塵、氷などのサンプルを収集してNASAに販売してくれる企業を募集している。サンプルは最高2万5000ドルでNASAが買い取るという。
米国航空宇宙局(NASA)や、スペースXをはじめとする企業が人間と宇宙に送り込む取り組みを進めているが、普通の人が飛行機で旅行をするように宇宙に行けるようになる可能性はあるのだろうか。
中国が再使用可能なシャトル型宇宙船の着陸に成功したという。詳細は不明だが、米軍の軍事用宇宙船「X-37B」をモデルにしているようだ。
量子コンピューティングを実現するには、キュービットの状態をいかに安定させるかがカギとなる。最新の研究により、従来から指摘されていた振動や温度変化に加えて、自然放射線や宇宙からの放射線(宇宙線)が、キュービットの安定性を著しく損なわせることが分かった。
NASAのハッブル宇宙望遠鏡が捉えたネオワイズ彗星の高解像度画像が公開された。この夏に地球および太陽に最接近したネオワイズ彗星は今世紀に入って北半球で観測できた最も明るい彗星であり、次に戻ってくるのは6800年後の予定だ。
今年の夏は3つの火星探査ミッションが打ち上げられるが、太陽系内には、探査機の調査対象となる天体が他にもたくさんある。金星や準惑星ケレスをはじめとして本格的に訪問することを検討すべき5つの天体について説明する。
火星と木星の間の小惑星帯にある準惑星ケレスが地下深部に海水をたたえている可能性があるとする研究成果が発表された。ケレスはかつて生命体が生存できる世界であった可能性があり、あるいは今もそうであるのかもしれない。
地球の周囲を漂う宇宙ゴミが、人工衛星の安全にとって大きな問題となっている。オーストリアの研究者らは、日中に宇宙ゴミの反射光を観測することで、宇宙ゴミ追跡の精度を向上できる新たな手法を開発した。
スペースXの次世代大型ロケット「スターシップ」の試作機が打ち上げに初めて成功した。道のりはまだ長いが、スペースXにとってターニング・ポイントになりそうだ。
太古の火星は温暖で水が存在していたとこれまで考えられてきたが、実際には巨大な氷河と氷床で覆われていた可能性を示す研究成果が発表された。ただし、火星における生命の痕跡の発見にとっては悪い知らせではない。
NASAが7月30日に打ち上げた最新の火星探査機パーサビアランスは、火星で発見したサンプルを地球に持ち帰る予定だ。最も居住可能性の高いとみられるエリアで生命の痕跡を探す。
米国宇宙軍の新たな報告によると、ロシアの「査察衛星」が本来の運用目的から外れた対衛星兵器の実験をしている証拠が見つかったという。
米航空宇宙局(NASA)は月への有人飛行を目指す「アルテミス計画」において、日本が非常に重要なパートナーになることを明らかにした。日本は同計画に技術を提供する見返りに、宇宙飛行士を月面に送り込むチャンスを手に入れるだろう。
中国は、現地時間7月23日、火星探査機「天問1号」の打ち上げに成功した。同探査機は2021年2月に火星に到達する予定であり、着陸船、探査車、軌道船の3つを同時に火星へ輸送するのは中国が初めてとなる。
金星にはここ数百万年以内に噴火した大規模火山の痕跡があり、同惑星を帯状に取り巻くように分布しているとする研究結果が発表された。火山活動は金星で過去5億年は起こっていないとするこれまでの仮説を覆す結果だ。