2020年に打ち上げ予定の米国航空宇宙局(NASA)の火星探査ミッション「マーズ2020」の探査機の着陸予定地に、古代の生命の痕跡を保存するのに適した鉱物が存在することが分かった。これらの鉱物を現地で分析したり、試料として持ち帰ったりすることで、古代の火星に生命が存在したかどうかが分かるかもしれない。
社会的インフラや軍の行動が軌道上の人工衛星に大きく頼っている現在、それらが攻撃されれば大混乱を引き起こしかねず、戦争行為とみなされるかもしれない。多くの人々は、そうした宇宙戦争が未来に起こったら大変なことになるだろうと考えているが、人工衛星への攻撃はすでに始まっている可能性がある。
宇宙が膨張を続けているのなら、やがては天体間の距離が引き離されて重力が機能しなくなってしまい、たとえば、惑星が星の周りを公転しなくなる可能性はないのだろうか。
米航空宇宙局(NASA)の無人探査機「ボイジャー2号」は2018年11月に、太陽圏を離脱し、恒星間空間に入った史上2番目の人工物となった。2019年11月3日にネイチャー・アストロノミー誌に掲載されたボイジャー2号の成果を記した一群の論文から、重要なポイントを5つ紹介する。
NASAとボッシュは、国際宇宙ステーション(ISS)内で発生した危険の兆候を検出するために、マイク一式を搭載した音響監視システムを開発した。ISS内を飛び回って宇宙飛行士の作業を支援する自律型小型ロボットに搭載し、気になる異音がないか耳をそばだてる。
中国の人工衛星「墨子号」は、量子暗号をはじめとする量子技術の分野で目覚ましい一連のブレークスルーを達成している。この成果には、中国科学技術大学の研究チームが開発した、バックグラウンドノイズを巧妙に回避する強力な単一光子検出器が重要な役割を果たしている。
スペースXが人工衛星3万基分の周波数割り当てを申請した。計画が実現すれば合計4万基あまりものおよぶメガコンステレーション(衛星群)を低軌道へ投入することになるが、その目的ははっきりしない。
映画「スター・ウォーズ」には、はるか彼方の銀河系で発明されたさまざまな技術が登場する。実現する可能性が高そうなものはあるだろうか?
強力な光源を宇宙船に搭載して後方に向けて光を照射すれば、その反作用により、宇宙船を光速で前進させられないだろうか?
地球の周回軌道上には、たくさんのスペース・デブリ(宇宙ゴミ)が存在し、その多くは追跡・監視されていない。何らかの対処方法はあるのだろうか。
SF映画『インターステラー』では、人類の移住先候補として、超大質量ブラックホールの周囲を公転する惑星が取り上げられたが、こうした惑星は本当に居住可能なのだろうか。NASAの科学者によると、超巨大ブラックホールは生命体の足がかりとなり得る様々なエネルギー源を提供するが、その近くに居住可能な環境が存在することは難しいという。
7年前、小惑星資源採掘ブームの火付け役となった2つのスタートアップ企業はいまや存在しない。宇宙産業における「ゴールドラッシュ」ともてはやされたバブルの崩壊は、何を残したのだろうか。
商用の人工衛星画像の解像度は年々向上し、撮影頻度も増加している。米国の規則では商業衛星によって撮影された画像の地上解像度を25センチメートルに制限して匿名性を確保しているが、いずれどこにいても四六時中人工衛星に監視される日がやってくるかもしれない。
米国の人工衛星企業であるバージン・オービット(Virgin Orbit)は、火星に向かう3つのミッションを発表した。計画通りに事が運べば、バージン・オービットは火星に向かう初の営利企業となる。
複数の積載物をロケットに相乗りさせる「ライドシェア」による人工衛星打ち上げが、宇宙産業を大きく変えようとしている。小型人工衛星を地球周回軌道に乗せることが、従来よりもはるかに安価で容易になることに加えて、小型人工衛星では到達不可能だった静止軌道に投入することも可能になるからだ。
海王星よりも外側の軌道を周回するトランスネプチュニアン天体の動きから、太陽系には未知の「第9惑星」が存在すると考えている天文学者たちがいる。第9惑星の正体は不明だが、最近の「光学重力レンズ観測」プロジェクトの成果を踏まえて、第9惑星が「原始ブラックホール」ではないかというアイデアが提唱されている。
NASAは、火星探査機「インサイト(InSight)」が観測した火星の地震の録音データを公開した。 この録音データは、火星と地球にどれだけ共通点があるかを示すと同時に、何十億年もかけて、この2つの星がどれだけ別の星へと形を変えていったかを示す証拠となっている。
宇宙へ送る探査機が大きくなるにつれ、惑星への着陸や地球への帰還のために解決すべき課題も大きくなっている。あるNASAのエンジニアが取り組んでいるのが、よりよい断熱システムの開発だ。
カナダの宇宙企業がスペース・デブリを40基のコンステレーション(衛星群)で追跡すると計画している。この計画は宇宙のゴミを増やすのか、衛星とゴミの衝突を避ける機会を増やすのか?
欧州宇宙機関とスペースXの人工衛星のニアミスは現在のシステムの弱点を浮き彫りにした。今後計画される2万基を超える衛星の衝突を防ぐには新たな仕組みづくりが必要だ。
宇宙航空業界のスタートアップ企業、レラティビティ・スペースはロケットのほぼすべてを3Dプリントで製造しようとしている。業界内での評価は割れているが、多額の資金と優秀な人材を獲得した2人の創業者は、誰よりも早く未来を実現しようと邁進している。
2024年までに人類を再び月面に送り込む米国の「アルテミス計画」の発表は大きな注目を浴びた。だが、その実現可能性は、予算不足を始めとするさまざまな問題によって日に日に低下するばかりだ。
小型衛星の推進装置として、化学燃料ロケットより小型かつ軽量で高効率のプラズマ推進装置が搭載されることが多くなっている。しかし、現在のプラズマ推進装置は、制御が難しいうえに効率も低く、エンジン自体を損傷することもある。そこでパデュー大学の研究者らは、高効率の液体燃料パルスプラズマ推進装置を設計した。
1969年7月20日。アポロ11号が月面着陸を成功させてから50年が経った。この間、テクノロジーは大きく進化したにも関わらず、人類は月へ行っていない。いま再び動き出した計画は何を意味するのか。人類はなぜ月を目指すのか。
マステン・スペース・システムズ(MSS:Masten Space Systems)のデイブ・マステン最高技術責任者(CTO)は、砂漠の真ん中でわずかな資金をもとにロケットを作っている。2004年の創業以来、幾度もの危機を乗り越え、月を目指し続けるマステンCTOらの挑戦の軌跡。