太陽光発電パネルの約90%で利用されている結晶シリコンは高価で、すでに太陽光を電力に変換する効率の限界にぶつかっている。そこで数年前、スイス連邦工科大学ローザンヌ校の研究者マイケル・サライバは、ペロブスカイトと呼ばれる結晶構造の材料を基にした、新しい種類の太陽電池の研究に乗り出した。
2009年に作られた初のペロブスカイト型太陽電池は、より安価で簡単な処理による太陽電池の製造を実現した。しかし、初期のペロブスカイト・ベースの太陽光電池は、太陽光のたった約4%しか電力に変換できなかった。
サライバは正電荷を持つイオンをペロブスカイトに加えることで性能を改善し、ペロブスカイト型太陽電池の電力への変換効率を21%以上に向上させた。そして、変換効率をさらに高める道筋を明らかにした。
(ルス・ジャスカリアン)
- 人気の記事ランキング
- Why it’s so hard for China’s chip industry to become self-sufficient 中国テック事情:チップ国産化推進で、打倒「味の素」の動き
- This US startup makes a crucial chip material and is taking on a Japanese giant 知られざる半導体材料の巨人 「味の素」の牙城を狙う 米スタートアップの勝算
- How thermal batteries are heating up energy storage レンガにエネルギーを蓄える「熱電池」に熱視線が注がれる理由
- Researchers taught robots to run. Now they’re teaching them to walk 走るから歩くへ、強化学習AIで地道に進化する人型ロボット