ディネシュ・バラディアは誰もが実現不可能だといった通信テクノロジーを実現した。バラディアが開発したのは、同じ周波数で同時にデータを送受信する方法だ。
無線送信で発生する信号は、受信信号より1000億倍強いため、送信信号は必然的に受信信号に埋もれてしまうと考えられていた。そのため、無線では一般的に送受信を別の周波数に分けるか、送信と受信を素早く切り替えている。「教科書ですら、不可能だと示していました」とバラディアはいう。
バラディアが開発したのは、送信信号を選択的にキャンセルすることで、受信メッセージを解読できるようにするハードウェアとソフトウェアだ。ゆくゆくは携帯電話にも搭載可能な初の全二重無線の発明は、単純に無線帯域幅を2回使うことで、利用可能な帯域幅が倍増する。通信事業者にも消費者にも神からの贈り物になる出来事だ。
この無線テクノロジーをスタートアップ企業クム・ネットワークから商業化するため、バラディアはスタンフォード大学での博士号課程を休学することにした。ドイツ・テレコムは2015年から試験中だが、バラディアのプロトタイプ回路基板は携帯電話に装着するには大き過ぎるため、サイズを縮小するのは他のエンジニアしだいだ。
(ライアン・クロス)
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