KADOKAWA Technology Review
×
構想者
35歳未満のイノベーター35人 2016構想者
物事を他の人とは少し違った視点で捉えることで、思いもしない用途でテクノロジーが効果を発揮します。

Maithilee Kunda マイジリー・クンダ (32)

所属: バンダービルト大学

マイジリー・クンダは、従来とは異なる手法で人工知能を創り出すヒントを自閉症スペクトラムから得た。

「大学院でAIシステムに取り組んでいた時、コロラド州立大学の動物化学者テンプル・グランディン教授が、自身の自閉症がどのように、他の多くの人と比べて、彼女の特有な視覚的思考をもたらしたかについて語った『絵で考える』を読んだ時、私の研究は始まりました。

私はこう考えました。これは興味深い。ほとんどのAIシステムは彼女のような「視覚的思考者」ではない。ほとんどのAIシステムは変数、数字、リストなどを使い、数学的で論理的な操作で判断している。これらのシステムは「言語的思考者」だ。もし、完全に画像で作られたデータを使い、画像を回転させたり画像を組み合わせたりするような、視覚的操作だけで判断するAIシステムがあったらどうだろう? テンプル・グランディン教授が彼女の視覚的思考能力によって驚くべきことができるのなら、私には同様のことがAIシステムにも当てはまるように思えたのです。

私は、興味深い視覚的能力を持つ自閉症スペクトラムの人々から学んだことを取り上げ続け、それをAIシステムに組み込んできました。初期段階ですが、最終的にはとても価値のあるものになると思っています。学生が難しい問題を解決することを学ぶ手助けしたいのなら、同じ問題を解決する異なった方法を学生に示せるさまざまなAIチューターがあるべきです。医者が病気の発生パターンを見つける手助けをしたいのなら、異なるスタイルのパターン検索を使ったデータを選別できる複数のAIアナリストがあるべきです」

(デイビッド・タルボットとの対談)

人気の記事ランキング
  1. We finally have a definition for open-source AI 「オープンソースAI」問題ついに決着、OSIが定義を発表
  2. Here’s how people are actually using AI カネにならない生成AIブーム、LLMはどう使われているか?
  3. The US physics community is not done working on trust 物理学界で繰り返される研究不正、再発防止には何が必要か
人気の記事ランキング
  1. We finally have a definition for open-source AI 「オープンソースAI」問題ついに決着、OSIが定義を発表
  2. Here’s how people are actually using AI カネにならない生成AIブーム、LLMはどう使われているか?
  3. The US physics community is not done working on trust 物理学界で繰り返される研究不正、再発防止には何が必要か
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る