2001年
IBMの研究者が、カーボン・ナノチューブ製トランジスターの製造方法を考案する。
2002年
IBMの研究者が、カーボン・ナノチューブ製トランジスターなら現在もっとも高性能なシリコン製トランジスターの2倍以上の電流を流せることを示す。シリコン製トランジスターよりもカーボン・ナノチューブのほうが高い性能を発揮できると考えられるようになる。
2006年
シングル・カーボン・ナノチューブを使った最初の集積回路がIBMで開発される。
2008年
イリノイ大学の博士課程で研究していた曹慶(サオ・チン)が、柔軟性のあるプラスチックの基板上にナノチューブの回路を印刷する技術を発明する。
2013年
IBMで、曹研究員が機械力を利用して純化したナノチューブを水中で押し固め、高密度で整った配列を作り出す手法を開発する。
2015年
曹研究員が、商品化可能なナノチューブ製トランジスターの実現に向けた本質的な障壁を克服する。金属の原子をナノチューブの先端に溶接することで、金属ワイヤーをカーボン・ナノチューブに接続する方法を編み出したのだ。
2016年
IBMがカーボン・ナノチューブを社内での半導体研究のラインに組み込み、テクノロジーの高度化、スケールアップに取り組み始める。
2020~2025年
IBMはカーボン・ナノチューブ製トランジスターをシリコン製トランジスターに置き換えようとしている。ナノチューブ製トランジスターはシリコンに比べて2~3倍高い性能を発揮し、消費電力は半分になると見積もられている。
(エリザベス・ウォイク)
- 人気の記事ランキング
- Why it’s so hard for China’s chip industry to become self-sufficient 中国テック事情:チップ国産化推進で、打倒「味の素」の動き
- How thermal batteries are heating up energy storage レンガにエネルギーを蓄える「熱電池」に熱視線が注がれる理由
- Researchers taught robots to run. Now they’re teaching them to walk 走るから歩くへ、強化学習AIで地道に進化する人型ロボット
- This US startup makes a crucial chip material and is taking on a Japanese giant 知られざる半導体材料の巨人 「味の素」の牙城を狙う 米スタートアップの勝算