

課題
製造コストの低い可撓性太陽電池は、窓のようなものさえ含め、多種多様な表面に「印刷」する形で実現できる。ただし、必要となるポリマーは、太陽光を電気に変換する能力が今ひとつだった。より効率的に太陽光を電気に変換できる結晶シリコンなどの太陽電池材料と異なり、ポリマーベースの材料は分子構造が乱れて、ゆでたスパゲティのような姿をしていることも理由だ。
解決法
イリノイ大学の刁瑩(ディアオ・イン)助教授は、目下、さまざまな印刷手法の考案に取り組んでいる。印刷手法によって、本来は無秩序な集合体を成すプラスチック分子を整然と並べようとしている。ディアオは、変換効率が従来品の2倍ある有機太陽電池を開発した。ディアオは、顕微鏡でしか確認できないほど微細な「櫛」に行き着いた。この櫛を使うと、印刷中に分子の流れを制御し、整然とした構造にできるのだ。
(ライアン・クロス)

- 人気の記事ランキング
- These scientists used CRISPR to put an alligator gene into catfish ワニの遺伝子を組み込んだ「CRISPRナマズ」が米国で誕生
- People are already using ChatGPT to create workout plans チャットGPTはパーソナルトレーナーになるか? 実際に試してみた
- Why EVs won’t replace hybrid cars anytime soon トヨタの賭け、EV一辺倒ではなくハイブリッド車を売り続ける理由
- What’s next for batteries リチウムイオン以外の選択肢は台頭するか? 23年の電池業界を占う
- Inside Japan’s long experiment in automating elder care 高齢者介護を「自動化」する 日本の長い実験
タグ | |
---|---|
クレジット | Photos by Seth Lowe |
著者 | MIT Technology Review編集部 [MIT Technology Review Editors] |