KADOKAWA Technology Review
×
博愛家
35歳未満のイノベーター35人 2016博愛家
従来にはない手法によって実現しようとしているのは、健康的で、衛生的な、過ごしやすい世界です。

Ronaldo Tenório ロナウド・テノリオ (30)

ハンド・トーク

モバイルアプリ「ハンド・トーク」は、難聴者向けの手話通訳アプリだ。

あるとき耳が悪い人がバーに入ってきた。アメリカン・ジョークの始まりのようだが、手話が使えるバーテンダーがほぼいない以上、バーで話が弾んだ、なんてことにはならない。こんな場面で活躍するのが「ハンド・トーク」(話された言葉をアバターがスマホ画面で手話に変換するアプリ)だ。

今のところ、ハンド・トークが変換できるのはポルトガル語の手話「リブラス(Libras、プログラムを作ったロナウド・テノリオの母国ブラジルで使われている手話)」だけだ。しかし、ブラジルだけでも少なくとも1000万人の難聴者がおり、100万人がモバイルアプリ「ハンド・トーク」をダウンロードしている。

ユーザーは、画面に「お話を手話に翻訳します」と表示されたスマートフォンを話し相手に向けるだけだ。会話が始まるとアニメーション型アバターのヒューゴが手話に翻訳してくれる。

600万
毎月ハンド・トークで翻訳されている翻訳数

手話通訳では、単純に会話を手の動作に置き換えるだけではなく、ヒューゴの表情も内容に応じて変化させる必要があり、話し言葉をジェスチャーのアニメーションに変換するのは、手間のかかるプログラミングになる。表情は、手の動きと合わせて、手話の意味を補完するのだ。テノリオの開発チームは、毎月数千の例文をプログラムに送り、手話の3Dアニメーションと組み合わせている。開発チームは常にアプリケーションを更新して、手話通訳の精度を高め、表情を改善させている。

テノリオは、今後さまざまなバージョンのアバターを展開する予定で、ユーザーがバーチャル手話通訳ヒューゴの性別や人種を変更することで、表現力を高め、わかりやすくしようとしている。

(ジュリア・スクラー)

人気の記事ランキング
  1. 10 of Bill Gates’s favorite books about technology ビル・ゲイツが選んだ、いま読むべき「テクノロジー書」10冊
  2. Google’s AI can now translate your speech while keeping your voice 「あなたの声」のまま変換、グーグルの新しい翻訳システム
  3. AI’s white guy problem isn’t going away AI業界の「白人男性偏重」がなくならない根本的な理由
人気の記事ランキング
  1. 10 of Bill Gates’s favorite books about technology ビル・ゲイツが選んだ、いま読むべき「テクノロジー書」10冊
  2. Google’s AI can now translate your speech while keeping your voice 「あなたの声」のまま変換、グーグルの新しい翻訳システム
  3. AI’s white guy problem isn’t going away AI業界の「白人男性偏重」がなくならない根本的な理由
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る