KADOKAWA Technology Review
×
発明家
JON HAN
35歳未満のイノベーター35人 2017発明家
AIから太陽光発電、心臓弁まで、テクノロジーをより実用的で欠かせないなものにするためのブレークスルーを創り出す。

Svenja Hinderer スヴェンヤ・ヒンダラー (32)

所属: フラウンホーファー研究所

生物分解性で再手術の必要性を無くす心臓弁のデザイン。

 8万5000人以上のアメリカ人が人工心臓弁を取り付けられている。しかし、人工心臓弁は永久にはもたない。そのため、いずれ弁を取り替える必要が出てくるが、それには高価で侵襲的な手術を伴う。さらに子供の場合、この手術を複数回繰り返さなければなならい。

ドイツのシュトゥットガルトにあるフラウンホーファー研究所(Fraunhofer Institute)のグループリーダーであるスヴェンヤ・ヒンダラーは、生物分解性の心臓弁を創り出している。ヒンダラーの研究によると、この心臓弁は時間がたつにつれ、患者自身の細胞で置き換えられていくことを強く示唆している。

生物分解性の心臓弁を完成させるためにヒンダラーは、生物分解性の繊維でつくられた足場を創り出した。この繊維は健康な組織のような弾力性をもち、そこに血液の中を巡回している幹細胞を引き寄せる働きをもつタンパク質を付着させる。この心臓弁は、移植されるとすぐに定着し、その後、2〜3年のうちに患者自身の細胞によって置き換えられるという。

(ラス・ジャスカリアン)

 

人気の記事ランキング
  1. Why it’s so hard for China’s chip industry to become self-sufficient 中国テック事情:チップ国産化推進で、打倒「味の素」の動き
  2. How thermal batteries are heating up energy storage レンガにエネルギーを蓄える「熱電池」に熱視線が注がれる理由
  3. Researchers taught robots to run. Now they’re teaching them to walk 走るから歩くへ、強化学習AIで地道に進化する人型ロボット
人気の記事ランキング
  1. Why it’s so hard for China’s chip industry to become self-sufficient 中国テック事情:チップ国産化推進で、打倒「味の素」の動き
  2. How thermal batteries are heating up energy storage レンガにエネルギーを蓄える「熱電池」に熱視線が注がれる理由
  3. Researchers taught robots to run. Now they’re teaching them to walk 走るから歩くへ、強化学習AIで地道に進化する人型ロボット
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る