KADOKAWA Technology Review
×
IU35 2025受賞者が集結するSummitを12/17開催!来場申込受付中。
博愛家
35歳未満のイノベーター35人 2016博愛家
従来にはない手法によって実現しようとしているのは、健康的で、衛生的な、過ごしやすい世界です。

Ronaldo Tenório ロナウド・テノリオ (30)

所属: ハンド・トーク

モバイルアプリ「ハンド・トーク」は、難聴者向けの手話通訳アプリだ。

あるとき耳が悪い人がバーに入ってきた。アメリカン・ジョークの始まりのようだが、手話が使えるバーテンダーがほぼいない以上、バーで話が弾んだ、なんてことにはならない。こんな場面で活躍するのが「ハンド・トーク」(話された言葉をアバターがスマホ画面で手話に変換するアプリ)だ。

今のところ、ハンド・トークが変換できるのはポルトガル語の手話「リブラス(Libras、プログラムを作ったロナウド・テノリオの母国ブラジルで使われている手話)」だけだ。しかし、ブラジルだけでも少なくとも1000万人の難聴者がおり、100万人がモバイルアプリ「ハンド・トーク」をダウンロードしている。

ユーザーは、画面に「お話を手話に翻訳します」と表示されたスマートフォンを話し相手に向けるだけだ。会話が始まるとアニメーション型アバターのヒューゴが手話に翻訳してくれる。

600万
毎月ハンド・トークで翻訳されている翻訳数

手話通訳では、単純に会話を手の動作に置き換えるだけではなく、ヒューゴの表情も内容に応じて変化させる必要があり、話し言葉をジェスチャーのアニメーションに変換するのは、手間のかかるプログラミングになる。表情は、手の動きと合わせて、手話の意味を補完するのだ。テノリオの開発チームは、毎月数千の例文をプログラムに送り、手話の3Dアニメーションと組み合わせている。開発チームは常にアプリケーションを更新して、手話通訳の精度を高め、表情を改善させている。

テノリオは、今後さまざまなバージョンのアバターを展開する予定で、ユーザーがバーチャル手話通訳ヒューゴの性別や人種を変更することで、表現力を高め、わかりやすくしようとしている。

(ジュリア・スクラー)

人気の記事ランキング
  1. Quantum physicists have shrunk and “de-censored” DeepSeek R1 量子技術でDeepSeekを55%小型化、「検閲解除」にも成功
  2. Promotion Innovators Under 35 Japan Summit 2025 2025年のイノベーターが集結「IU35 Summit」参加者募集
  3. Google’s new Gemini 3 “vibe-codes” responses and comes with its own agent グーグルが「Gemini 3」発表、質問に応じて回答形式もAIが判断
  4. How to help friends and family dig out of a conspiracy theory black hole 家族が陰謀論にハマったら: 専門家が語る、 5つの現実的アプローチ
人気の記事ランキング
  1. Quantum physicists have shrunk and “de-censored” DeepSeek R1 量子技術でDeepSeekを55%小型化、「検閲解除」にも成功
  2. Promotion Innovators Under 35 Japan Summit 2025 2025年のイノベーターが集結「IU35 Summit」参加者募集
  3. Google’s new Gemini 3 “vibe-codes” responses and comes with its own agent グーグルが「Gemini 3」発表、質問に応じて回答形式もAIが判断
  4. How to help friends and family dig out of a conspiracy theory black hole 家族が陰謀論にハマったら: 専門家が語る、 5つの現実的アプローチ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る