大きな湯たんぽのようにも見える2つの平たい「黒い袋」がゆっくりと広がり、崩れた鉄筋コンクリート壁を徐々に持ち上げ、鉄筋コンクリート壁とその下に積み重なった瓦礫の間に空間ができる。国際援助、救援、復旧・復興を目的とする公益団体フィールド・レディ(Field Ready)のエヤド・ジャネのチームが設計した「黒い袋」のテストの様子を撮影したものだ。「黒い袋」は現在シリアで実際に使われており、爆撃後の市民の捜索の際に瓦礫を持ち上げるのに使用されている。
ジャネはシリアで育ったが、2010年に祖国を離れ、現在イスタンブールで働く。彼のチームは現地調達可能な材料で作るツールを設計、テストしている。たとえば、先の「黒い袋」、空気袋はポリエステル生地に、ゴム製のシートカバーと接続部品で作られている。もともと貨物トラックのカバーに使われていた材料を、転用したものだ。4月にはこの空気袋は、シリアで瓦礫の下に埋まってしまった、2人の人を救出するのに役立てられた。
(ナネット・バーンズ)
- 人気の記事ランキング
- Why it’s so hard for China’s chip industry to become self-sufficient 中国テック事情:チップ国産化推進で、打倒「味の素」の動き
- How thermal batteries are heating up energy storage レンガにエネルギーを蓄える「熱電池」に熱視線が注がれる理由
- Researchers taught robots to run. Now they’re teaching them to walk 走るから歩くへ、強化学習AIで地道に進化する人型ロボット
- This US startup makes a crucial chip material and is taking on a Japanese giant 知られざる半導体材料の巨人 「味の素」の牙城を狙う 米スタートアップの勝算