「大学院でAIシステムに取り組んでいた時、コロラド州立大学の動物化学者テンプル・グランディン教授が、自身の自閉症がどのように、他の多くの人と比べて、彼女の特有な視覚的思考をもたらしたかについて語った『絵で考える』を読んだ時、私の研究は始まりました。
私はこう考えました。これは興味深い。ほとんどのAIシステムは彼女のような「視覚的思考者」ではない。ほとんどのAIシステムは変数、数字、リストなどを使い、数学的で論理的な操作で判断している。これらのシステムは「言語的思考者」だ。もし、完全に画像で作られたデータを使い、画像を回転させたり画像を組み合わせたりするような、視覚的操作だけで判断するAIシステムがあったらどうだろう? テンプル・グランディン教授が彼女の視覚的思考能力によって驚くべきことができるのなら、私には同様のことがAIシステムにも当てはまるように思えたのです。
私は、興味深い視覚的能力を持つ自閉症スペクトラムの人々から学んだことを取り上げ続け、それをAIシステムに組み込んできました。初期段階ですが、最終的にはとても価値のあるものになると思っています。学生が難しい問題を解決することを学ぶ手助けしたいのなら、同じ問題を解決する異なった方法を学生に示せるさまざまなAIチューターがあるべきです。医者が病気の発生パターンを見つける手助けをしたいのなら、異なるスタイルのパターン検索を使ったデータを選別できる複数のAIアナリストがあるべきです」
(デイビッド・タルボットとの対談)
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