
課題
製造コストの低い可撓性太陽電池は、窓のようなものさえ含め、多種多様な表面に「印刷」する形で実現できる。ただし、必要となるポリマーは、太陽光を電気に変換する能力が今ひとつだった。より効率的に太陽光を電気に変換できる結晶シリコンなどの太陽電池材料と異なり、ポリマーベースの材料は分子構造が乱れて、ゆでたスパゲティのような姿をしていることも理由だ。
解決法
イリノイ大学の刁瑩(ディアオ・イン)助教授は、目下、さまざまな印刷手法の考案に取り組んでいる。印刷手法によって、本来は無秩序な集合体を成すプラスチック分子を整然と並べようとしている。ディアオは、変換効率が従来品の2倍ある有機太陽電池を開発した。ディアオは、顕微鏡でしか確認できないほど微細な「櫛」に行き着いた。この櫛を使うと、印刷中に分子の流れを制御し、整然とした構造にできるのだ。
(ライアン・クロス)

- 人気の記事ランキング
-
- Why Chinese manufacturers are going viral on TikTok 「ほぼエルメス」を工場直送 中国の下請け企業が ティックトックで反旗
- AI companions are the final stage of digital addiction, and lawmakers are taking aim SNS超える中毒性、「AIコンパニオン」に安全対策求める声
- Here’s why we need to start thinking of AI as “normal” AIは「普通」の技術、プリンストン大のつまらない提言の背景
- How creativity became the reigning value of our time 誰もが疑わない現代の価値観 「創造性」という幻想は いかにして創り出されたか
タグ | |
---|---|
クレジット | Photos by Seth Lowe |
著者 | MIT Technology Review編集部 [MIT Technology Review Editors] |