昨今における医学の進展によって、人間がかかる多くの疾病の背後にあるさまざまな遺伝的リスクが特定された。次の大きな一歩では、そうした遺伝的変異が病気につながる仕組みや、病状を改善、さらには逆転させる可能性についても明らかになると期待される。スクリプス研究所の助教授であるシン・ジン(34)は、生体組織にある多くの遺伝子を同時並行的に解析する手法を編み出した。「これまで、遺伝子研究では一度に1つの遺伝子を解析するのが普通で、一度に1つまたは数種の細胞型しか扱えませんでした」とジン助教授は言う。彼女の手法を使うと、一回の実験で数十もしくは数百の遺伝子を調べることが可能になる。そしてその手法は、さまざまな種類の組織や細胞に適用できる。ジン助教授はこの手法で、遺伝子の差異によるメンタル・ヘルスへの影響について理解を深めようとしている。
- 人気の記事ランキング
- The Biggest Questions: Are we alone in the universe? 地球外生命体は存在するか? 人類の先入観を超えた探索
- Huawei’s 5G chip breakthrough needs a reality check 中国テック事情:ファーウェイ「独自チップ」衝撃も厳しい現実
- Covid hasn’t entirely gone away—here’s where we stand 新型コロナはもう「終わった」のか? 現状を整理する
- Text-to-image AI models can be tricked into generating disturbing images AIモデル、「脱獄プロンプト」で不適切な画像生成の新手法